第4話-追放された魔物2

未知の世界で生きていくために、俺はミミック本来の生き方を選んだ。最初に目に付いた家電、洗濯機を喰って擬態したのだ。

そんな俺を購入したのは若い男だった。その男の元で、俺は50年間、洗濯機として洗濯物を洗い続けたのだった。


こんな生活も悪くない。そう思った矢先に、年老いた持ち主は引っ越しを理由に俺をリサイクルショップに売ることにしたのだ。

仕方ない。人間の寿命はあっという間に終わってしまうから。


年老いた持ち主は、別れの時に俺を撫でて優しく声を掛けてくれた。

『いままでありがとうな。またきっとお前を必要とする人が現れるはずだ。』


俺を最初に迎えてくれた人間。


十分だよタクミ。俺の方こそありがとう。元気でな。


そして俺は、誰にも見向きもされず、埃をかぶってそこにあるただのガラクタになった。

俺を必要としてくれる誰かとの出会いを夢みて古びた店の端で埃を被りながら眠ったのだった。

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