第76話 専用ダンジョンに入る
今日は僕専用のダンジョンに入ってみようと思います。もしもダンジョン内で宿泊する事があるかもしれないので、食糧と調味料は出来るだけ準備して入ります。アニメや小説では暗い洞窟に入ったりするので、ランプも用意します。
調理用具や食器も携帯コンロも思い切って購入しました。
当然、テントは2人分用意しましたよ。
純情な中一男子には女の子と同じテントで寝るなんて、とてもじゃないけれど、出来ることでは有りません。
さて第1階層はジャガイモです。
『【強制収納】使用しますか?」
『はい』
500m×1,000mの畑からジャガイモが葉っぱごとスポスポスポスポスポと引き抜かれて空中に浮いてストレージに収納されていきました。ストレージを確認するとイモと葉っぱに分類されています。このイモは男爵イモ系統の種類みたいです。
『葉っぱは鶏肉、鶏卵階層に餌として転送しますが構いませんか?』
『OK』
あの枯れかけた葉っぱでも餌になるのか。と感心しながら次の畑へ移動します。次の畑はメイクイーン系統の形をしていました。
ジャガイモ畑の次に500m×1,000mのサツマイモ畑が連なっていました。
テントを張ったら、焚火に放り込んで焼き芋を食べよう。
何度かリポップを繰り返して収穫していたらスイートが叫びました。
「タケル、気を付けて魔猪が来るよ!」
このダンジョンの魔物は皆角が有るのだろうか?牙のように反り返った角が額に生えています。頭を下げて猛進してきます。あんなのがぶつかったら無事では済まないだろうな!
頭を下げてるからか頭上にスイートがジャンプしているのが判らないようです。
「あたしを無視すんな―」
スイートが叫んで剣を首筋に突き立てました。
魔猪はよろよろとよろめいてズドーンと横倒しになって地面を滑って息絶えました。
「スイート、お見事!」
「へへへ、どんなもんだい!見直したでしょ!」
「うん。凄いジャンプ力だったよ」
「故郷の村でも猪退治していたからね。慣れたもんよ」
「でさ、この猪の肉、売らずに私達の食料にしちゃっても良いかな?」とスイート。
「いいよ。スイートの獲物だから僕の方はゴチになりますだよ」
「良かった。魔猪の肉って美味しいんだよね。レベルも上がるし2重に美味しいのよね」
嬉しそうに笑うスイートってとっても可愛いんだよなあ。
このダンジョンも1時間後にリポップして稼ぎ放題です。僕も魔猪6匹を巻き込み討伐してレベルがまた上がりました。
今日はどこまでリポップするのか確かめたくて、テントを張って泊まり込み覚悟です。
朝一から収穫を始めて何回リポップするのかな?これも重要な情報だよね。
さア、夕ご飯にするよ。今日は僕の炊事当番です。スープは宿の調理場から買ってきてストレージに置いていた物を出します。
男爵イモを炊いて、バター乗せてじゃがバターと行きますか。それにスイート提供の魔猪肉のステーキを塩胡椒で味付けしました。
「美味しい、凄く美味しいよ。タケルって料理も上手なんだね」
「良かった。胡椒が安く手に入ってラッキーだったよ」
胡椒は豊富に取れるのにスパイスとして使われていなかったらしくて、よその国の人が料理に使って、その美味しさにこの国でもやっと出回ってきたらしく、未だに調味料としてはあまり知られていないので使う人が少ないようなのです。
そのよその国の人とは【センニョユイ】様と言う女性らしくスパイスとして使う製法を伝授してくれたのだと聞きました。
お陰で僕も利用出来ているのです。
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