第70話 新大陸発見の旅に出発します

何やかや、飛行船に手を加えています。睡眠中でも安全に飛行出来る様に、レーダー探知機を高性能に作り変えました。

全自動操縦と手動操縦に切り替え出来ます。飛行船全体を覆う結界は私と、私が許可した人間と動物しか入れません。


レーダーに陸地の気配が映った場合、ブザーで知らせて呉れて自動的に停止して浮遊している状態になります。


自分が生身で飛行するよりも飛行船で飛ぶ方が疲れないし、同じ姿勢でいる必要が無いので楽です。

何より、眠っていても勝手に動いて判断してくれるのが嬉しいです。


ところで、私が旅に出たがるのは苦み走ったいい男のジョーイさんに振られたせいなのではないかと思っている人が居るかも知れないのでここではっきり言っておきます。絶対に傷心旅行ではありません。

確かに告白する前に振られたのは事実です。ギルド職員のアジサイさんと良い仲だったのですもの。


この世界でのユイにとっては初恋みたいなものでした。初恋は実らない物と相場が決まっていますでしょ。決して負け惜しみじゃありませんよ。グスン……


私は試運転の間にこれまで訪れた町を訪れてご挨拶して来ました。私を手籠めにしょうとした馬鹿王子とその祖母には会いませんでしたけれどね。


試験飛行の一環でこの大陸の上空から見た形状を絵図に残す事にしました。

この絵図を元にして正確な地図が作成出来るでしょう。

このデータは王国に寄進します。鑑定で判明した距離や、山や川等の正確な情報も記しておきますので、精密な航空写真並みの精密な地図を得られるでしょう。

戦争しないのが1番ですが戦略的にも、貴重な資料となることでしょう。


この大陸を【テレンス大陸】と呼ぶことにします。その大きさは地球のアフリカ大陸とほぼ同じだと判りました。


約3037万平方キロメートル。

この大陸の中に10ヵ国が有って、大迷宮王国は一番北に有ります。



飛行船の最大時速は約1000㎞でした。この惑星の外周が地球と同じと考えて計算すると約4万km÷1千km=40時間。明るい日中だけ飛行すると1日10時間。トラブルが無ければ4日で1週出来るでしょう。あくまでも地球と同じとするならばです。


もしも東に出発して戻ってきた場合新大陸を発見出来なかったら

今度は南極、北極を探してみます。


そうして私は【テレンス大陸】の東の海を東回りで出発したのです。


◆◆◆◆◆◆


水曜日と金曜日の投稿時間を18時にさせていただきます。宜しくお願い致します。

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