第71話 新大陸発見
新大陸は思ったより早く発見出来ました。
3日目の早朝飛行船の警戒音が流れたのです。
スピードを落として眼下の海を凝視していくと1艘の大型船がイカ形モンスターに襲われていたのです。
その船はテレンス大陸には無い大型の船でした。技術的に優れた人たちがいるみたいです。超巨大なイカ形クラーケンはその船を破壊しようと巨大な脚で絡め獲り、脚を打ち付けています。
『イカのモンスターに襲われている船の乗組員さん。私はユイ。頭上に浮かぶ飛行船に乗っている者です。モンスター退治のお手伝いは必要ですか?』
念話で通信を試みます。
『こちら、バルデイーン号。応援を請う。海に落ちた同胞の救出もおねがいします』
『了解。では人間を優先して安全な我が飛行船に転送します』
私は個人個人に、私に対する敵意がないかを鑑定して私の船内に転送しました。
海に落ちてずぶぬれだった人達に乾燥魔法とクリーン魔法を掛けて手持ちの食糧と暖かい飲み物で休んでいただきました。
さて、壊されている船を回収しましょう。クラーケンの足の吸盤の吸着力は予想以上に強力で船体が転送できません。仕方ありません、クラーケンを退治してしまいましょう。
私はクラーケンの3つある心臓の位置を鑑定で特定して金属棒を差し込んで雷魔法で心臓を焼いてしまいました。クラーケンも船も収納しました。
襲われた人たちにお話を聞くとバルデイーン号と言う船はハイトン王国と言う、ハイトン大陸唯一の国の船で大陸の反対側に有る
王都ロートン街への航海の途中だったそうです。クラーケンに襲われたのは40年前に創業して以来初めてのことだったそうです。
北の海に棲んでいるところが伝説で伝わっている幻の魔物で、本当にこんな魔物がいたなんて思いもよらなかったそうです。
私は新大陸を探しに来たことと、友好関係を築きたい旨を船長さんに伝えました。
「それならばわたくしが国王様に御取次いたしましょう」
乗客の商人のエリザベートさんが言って下さいました。
ロートンの街に着いたので傷だらけになった船をドッグに下ろし船内の個人の荷物やら積み荷の有無を確認して、王宮にむかうことになりました。港で別れる人達とはここでおわかれです。甲板上に有ったものは半分以上紛失してしまいましたが、船内の積み荷や客の私物は無事でした。
私達は飛行船を収納した後馬車を出して王宮めざします。
御者さんは船長さんに頼みました。このこの街の道を知りませんからね。船長さんも国王様にクラーケンの事を報告しなければいけないそうで今回のお客さんへの損害賠償とかの手続きを副船長さんに任せて私に同行してくれました。
急に行って国王様に会えるかどうかは判りませんが、会えなくても予約を取って置かないといけませんしね。
王宮内での様々な手続きを王宮御用達の商人のエリザベートさんが行ってくれました。手慣れたものでした。
その日は国王様の都合が悪くて会えないとのことでしたが明日の朝10時に予約がとれました。エリザベートさんの「緊急案件です」の言葉で予約できたようです。
国王様に直接お話をする前に、宰相様の右腕と言われるお方に申し上げたい事をお話しました。クラーケンに襲われて私に助けられたことと、私が別の大陸から来て、この国と友好関係を築きたい事を話しておきました。
クラーケンの事は信じられない風でしたが、中庭に実物を出して見せ、飛行船を出して見せたので信じて貰えたようです。
私は王宮近くの高級宿に泊まって明日のエリザベートさん達のお迎えを待つことにしましたが、船長さんが冒険者ギルドに行くと言うので私も付いて行くことにしました。
そこでもクラーケンの実物を見せないといけないからです。
冒険者ギルドの横に、収穫者ギルドという、初めて見聞きするギルドの建物が有りました。
まさか私がこの収穫者ギルドと深く関ることになるとはこの時はまだ知る由も有りませんでした。
第1章 仙女編終了
次回から
第2章 収穫者編が始まります。引き続き宜しくお願い致します。
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