第44話 サンドラーの町へ帰ります。そして出発

 サンドラーの町へ帰りますがその前に商業ギルドに寄って、シャンプーリンスと、スキンケア化粧水の商談を行いました。

 一般庶民のための品物をあまり高くない御値段で、王室の方々の物は、結構お高いお値段で卸させて頂くことになりました。

そうですよね王家の方とあろうお方が安い庶民と同様の代金で特別に誂えた品物を買いたいなんて言いませんよね。ですからお高い代金で良いのだと商業ギルド長さんのお言葉があったのです。

 この線でピーチ王国の商業ギルドとも交渉しましょう。


 警護の冒険者さんたちは引き続き契約更新でお互いホッとしています。せっかく仲良くなったのにまた違う人達と、とならずに済んで良かったです。


 帰りの道中は道を平らにしたら元に戻さずに平らなままにしておきました。もう隣国と戦争しない約束をしたのですから大丈夫ですよね。


 サンドラーの町に着いたらまず初めに私が創造した超早生種のジャガイモとサツマイモが順調に育っているのか確認します。



 芋は種子では無く、種芋から始めました。この種芋から収穫した芋を種芋にしてドンドン増やしていきたいのです。

そしてどこまで【超早生】の性質を持ち続けられるかどうかです。


 この芋は5日で収穫できるようにイメージして創造したものです。そしてじゃがいもは煮崩れしにくくホクホクした食感で、主食に出来る飽きることの無い食味を目指しました。

 サツマイモも同じく主食に出来る飽きない味わいを目指しましたが、焼き芋にすると蜜たっぷりの蜜芋になるのです。そうなるとおやつ用にもなりますし。スイーツとしても販売可能でしょう。

 サンドラーの町の名物として他の町や国に売り出すことも考えています。


 サンドラーの町に着きました。まだ雨は降り続いています。

畑の水分を鑑定したら後20パーセントくらいで適量に達するようです。上手く自然に雨が止んでくれますように。



 翌々日雨がやみました。更にジャガイモとサツマイモが収穫出来ます。

畑の土も程よい湿り気です。

 収穫した芋を使って料理して町の人達に試食して頂きましょう。

じゃがいもは蒸かしてバターを乗せます。

サツマイモはお米と一緒に炊き込みます。お米はこの国でも陸稲が存在しています。味は日本のお米よりは劣りますがまずまずのお味です。サツマイモは石焼き窯を錬金術で作って石焼きいも食べて貰いましょう。


「「「あ、これはとても美味しかったカレーライスに入ってた野菜の食感だ。そうかこんな形の野菜だったのか!」」」

この町ではジャガイモは食べられていなかったようです。それどころか他の国にも存在していないようでした。


「これってカレーライスのライスよね。これだけでもあっさりとしていておいしいのにこんな食べ方も有るのね!!」

サツマイモご飯の感想でした。

お米は知られてはいましたが、一部地方の主食なのだそうです。

この町の3大作物に加えてもいいかもしれませんね。


でも町の人々の1番の衝撃は、焼き芋でした。砂糖の高価なこの町では、甘いものは滅多に食べれません。

とろける様な蜜の甘さに特に女性子供はメロメロです。


「ユイ様、このサツマイモの食べ方をレシピとしてこの町に売ってはいただけませんでしょうか?、他の町や国へ売り出すことも出来ますし、特産品として売り出す際に、試食して貰えば飛ぶようにうれそうですし、これを食べたさに人が押し寄せる予感がします」

町長さんと冒険者ギルドの商業ギルド担当者の方に懇願されました。


私は1番簡単な調理法【焚き火の中に放り込む方法】を実演してみせました。

そして石焼きイモの石焼き窯を5個取り出して、

「石焼きイモの調理職人になりたい人を募って、講習会を開くことにしました。手に職を付けたいという人たちが10人集まりました。クラフトギルドで石焼き窯を作れないか訊いて、作れるようなら作成依頼を出して下さいと伝えました。

私のは貴重なアーテイフアクトだと教えてあります。


この町で作れれば町の職人さんの仕事も増えますし、これに必要な石集めのアルバイトも産まれるでしょう。

料理の好きな方々にはコロッケの作り方やサツマイモと豆の煮物を教えて、自分達で新しいレシピを生み出すように勧めました。


 それから1ヶ月イモの性質も変わらないことを確認して、石焼き窯も作れるようになり、石焼き芋もみんなが同じ様に焼けるようになったので私は又、旅に出ようと思います。

 町では、商業ギルドを誘致して【芋料理が食べれて、シャンプーリンスが買えて、ポーションを仕入れできる町】として客を呼び、泊りがけで来る人の為の食堂兼宿屋の建設と、従業員募集及び教育を始めました。それに加えて私は各種ポーションの卸売業務を委託して売上利益の10パーセントを頂くことにして契約致しました。


 何年後かにこの町を訪れたときに町が繁栄していることを願って旅の再出発をしました。

今回は1頭立ての馬車を買って、御者をスイちゃんと交代しながら走ります。手綱をもっていなくとも念話で意思疎通できるので素人でも操れます。

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