第43話  カミエル国王とのお話合い

 翌朝早くウオドカンの町を出て王都に向かいました。


でこぼこ道は次第に良くなって道幅も馬車がすれ違えるようになりました。所々休憩用広場も有ります。

王都の壁が見えてきました。王都に入ったら指定された宿に入って翌日の朝のお迎えの馬車を待つことになります。


冒険者の方々とは一旦ここでお別れです。王城でのお仕事が終わったらピーチ王国のサンドラーの町へ帰る予定です。それまで冒険者さんたちには自由に過ごしてもらいます。宿で過ごしても、ギルドでクエストを受けても、何ならこれで契約終了しても構いません。なので約束のお土産をお渡ししておきます。


女性達にはシャンプーリンスとボデイ―シャンプーです。男性陣にも男性用のシャンプーリンスとボデイ―シャンプーです。

何が違うのか?香りです。女性陣はお若いので【乙女の香】

男性用は【ダンデイ】です。

使い方は野営の時に御試し用の備え付けの物で経験済みです。

評判は上々でしたので、新品を御渡ししたらとても感激して下さいました。


もしも契約更新したい場合は明日の朝10時までに宿の受付に来ていただくことになりました。



お迎えの馬車が来ました。いよいよ王城行きです。


国王様との謁見も4度目なのでなれたものです。

但し服装は黒の礼服では無く、まるで聖女の着るような白いドレスに白いローブを羽織っています。

これはガイちゃんが久し振りに現れて創造神の【イザカミ】様からのプレゼントだよと渡してくれました。その際に

ユイちゃんはもうみんなに仙女認定されているので自己紹介の時に「神より仙女として世の中に尽くしなさいと賜った衣装であると言って堂々としていなさいと言われました。悪意ある者が触ろうとすると電撃で弾かれるそうです。魔法、呪い、毒などのあらゆる攻撃からまもってくれるのだそうです。足首まで隠れるロングドレスにローブなのにとても動きやすいです。隠れない手や顔もこれを着ている限り守られるのだとか。

私専用なので他の誰にも触れないし着れません。今はヒールの靴ですが、念じればブーツに交換できます。普段は収納の中に保管されているのです。

防汚機能つきなので汚れませんし不破損機能で傷ついたり燃えたり穴が空いたりしないそうです。

そしてもう一つの機能。それは……


たとえ国王であっても私に楯突けない【神の使徒】を表す紋章が

入っているのです。いわば【三つ葉葵の紋所】みたいなものです。つまり黄門様の印籠みたいなものです。そのご威光はあらたかで、今現在私の前で国王様一家初め、家臣一同がひれ伏しております。


とても気恥ずかしいです。

「み、皆さんどうかお立ち下さい。このままではお話が進みません」


私がお願いして頭を上げさせ、王座他所定の場所に戻って頂きました。


ピーチ王国での騒動が大袈裟に伝わっているみたいです。

悪徳貴族が水龍様の吐き出した水で壁に飛ばされて気絶したとか

これはまあ本当ですけれど、仙女様の殺気を受けて横領貴族とその取り巻き30数人が泡を吹いて気絶したとか。(噓です。気絶したのは1人だけです)

大神官が神様をご降臨させたのが仙女ユイ様の姿だったとか色々尾ひれがついて伝わっているようです。

でもそのおかげで国王様には国民が窮地に立たされた時には速やかに支援の手を差し伸べるように約束をして頂きました。

そして隣国ピーチ王国との争いを止めてお互いに協力し合って国民のために豊かな国になって欲しいとお願いしておきました。


お願いしたのです。決して恐喝したのでは有りませんよ。

御妃様や王女様方にそれぞれに似合った香りのシャンプーリンス

とボデイ―シャンプーをプレゼントしておきました。

御妃様には熟女御用達になるであろう落ち着いたイメージの香りの【美熟女の色香】を、お若い王女様には華やかな香りの【若き淑女の香】を王室用に作っておいたのです。


そのついでに侍女さん達にも一般用の【乙女の香】を大盤振る舞いしておきました。

『お気に入りましたら、商業ギルドに卸す予定なのでそちらでお買い求め下さいと、宣伝しておくのも忘れませんでした。


明日は無事に帰れそうです。


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