第41話 ピーチ王国国王様とお話します

翌朝王宮から迎えの馬車が来ました私は黒の礼服に真珠のネックレスとイヤリングハイヒールの私の正装です。

ジョーイさんはまるでお貴族様の様な服装です。スイちゃんには

私の服装の子供版を着て貰っています。

左右に貴族の方々が居並ぶ中、中央の通路を国王様の玉座の前までハイヒールの音を響かせて歩きます。ジョーイさんに教えられた所で立ち止まって片膝立ちで国王様の登場を待ちます。


「国王様のご登場です」

お側に付かれるお方のお言葉が有りました。


頭を下げたまま国王様のお言葉を待ちます。

「仙女ユイ殿、サンダー支部冒険者ギルド長ジョーイ、おもてを上げよ」

国王様のお許しがありましたので顔を上げます。国王様は中年の小太りの自信なさげなお顔の方でした。これは?若しや取り巻き貴族の傀儡王様?


「ユイ殿この度は2年間も雨が降らなかったサンドラーの町に雨を降らせてくれた事大儀であった。よって褒美をとらそう。何を所望するか申してみよ」


「恐れながら申し上げます。聞けば食料も無くて水も無くて困窮しているサンドラーの町に一切の援助をもなさらなかったとの事

なにゆえの理由を持っての事でしょうか?お聞かせ下さい」

「お、おい何を言っているんだ」

ジョーイさんが慌てて私を黙らせようとします。


「ジョーイさん。男でしょ、今言わなくてどうするの。また同じ様な事が起こっても黙って町の人達を見殺しにするつもりですか?今回は偶々私が居合わせて、水も食料も提供できたから良かったもののいなかったらどうなっていたか解らないわけではないでしょう」

「う、うん」


「うん?それは聞き捨てならぬ。これサギンシ伯爵、援助資金は

そなたに預けておいたはず。どういうことかな」

「え、水と食料は輸送できる状態にありましたが炊き出しが行われているという情報が有ったので出していなかっただけです」

サギンシ伯爵は私を睨んで余計な事を言うなと圧力を掛けてきますが、詐欺師なんかに負けるものですか。

「炊き出しをしていると言っても1回や2回の炊き出しで済むわけ有りませんよね。土地は干上がって、作物は育たず、雨が降っても作物が収穫出来るようになるまでの長い月日、飲まず食わずにいろと?」

「うるさいうるさい、農民共町民共がどうなろうと知ったことか!平民は我々貴族の為に草の根木の根を喰らっていれば良いのだ!」

カチーン、頭に来ました。私は詐欺師サギンシ伯爵にほんのちょっと強めの殺気を放ちました。

「ギョエーーーーー」

詐欺師は股間を濡らして泡を吹いて倒れました。

「あ奴貴族に対して何をした!衛兵あの女を捕縛せよ」

詐欺師と同じ穴のむじなと思われる貴族が騒いでいます。

これにスイちゃんが切れました。少し小さいこのホールにぎりぎり入る大きさの水龍の姿に戻り騒いだ貴族に口から水を吐き出して貴族を壁に吹き飛ばしました。

キャードラゴンだー逃げろ逃げろー

我先にと近くの扉から逃げ出していきます。


「水龍様とお見受けします。どうぞお怒りをお静め下さい」


「大神官様だ。ユイ殿、スイちゃんを静めてくれんか」


そう言えばこの国の神様は創造神【イザカミ】様なのでしょうか?ガイちゃんとはしばらく会っていないわね。どうしちゃったのかなあ?

それはともかく、今はスイちゃんをなだめておきましょう。

「いいわ。スイちゃん私のために怒ってくれてありがとう。もういいわ。あのバカ貴族みんなに嫌われてたみたいだから、誰も助け起こそうともしていないわよ。後は国王様にお任せしましょう」


私は貴族たちの収賄、詐欺行為、横流し、使い込み横領などありとあらゆる犯罪行為を行って居る悪徳貴族の調査取り締まりを行うよう国王様にお願いしました。


「王様、私達神殿関係者が調べた貴族の不正行為の証拠も提供致します、今こそ国王様のお力を示す時です。悪徳貴族の一掃を図ってください。このまま放置すると、国民の怒りが爆発してしまいますぞ」


大神官様の後押しを受けて、国政の立て直しを国王様が約束してくれました。


サンドラーの町への食料援助及び作物の種、苗、肥料及び魔道耕運機の提供も約束してくれました。



さあ、次はカミエル王国のウオドンカンの町へ行って現地調査して、カミエル王国の世直し旅ねフフフ





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