第40話 ピーチ王国国王様との謁見に向かいます

 

町から借用した丘からの眺めは素晴らしいものでした。町の全貌が一目瞭然です。ここからなら町の何処へでも転移出来ます。


 私は丘に自宅を設置しました。家の裏は南向きの斜面です。

水捌けが良く、日当たりが良い。そのような環境が生育地に適している幾ばくかの薬草を育てる畑を作りましょう。


 一方北側の斜面は半日陰に育つ薬草畑を作りましょう。でも斜面は水はけが良すぎるので、水分を保つために段々畑をつくります。これは南側斜面についても同様です。


 自宅廻りの平面地には自家菜園を作ります。

でも【植物創造】スキルで作った植物はあまり他人には見られたくないので、その畑には認識障害の魔法をかけておきます。


ギルマスのジョーイさんから連絡が有りました。ピーチ王国の謁見の日が3日後に、7日後にカミエル王国に行くことになりました。ジョーイさんも一緒ですので馬車での移動になります。

勿論千年前の勇者との約束で結界を張ったスイちゃんも行きますよ。ちゃんと証言して貰わないといけませんからね。


ピーチ王国の王都までは馬車で1泊2日途中で1泊しないといけません。護衛任務に冒険者さん達について貰います。少し早めに王都に着いていたいので今日中に出発します。

冒険者さん達も馬車で移動して貰います。私の前と後ろについて移動します。


さあ出発です。

 町の管理する道を出て、王国の管理する、言うならばに入りましたが酷い道です。凸凹で1頭立ての荷馬車がやっと通れる程度の道幅しか有りません。

あっちから馬車が来たらどうするのでしょうか?

これが本当に国道?

 上下に揺れてお尻は痛くて堪りません。私は馬で移動しているジョーイさんに声をかけて止まって貰いました。

「この道どうしてこんなに荒れたままにしておくのですか?」

「良くは判らんが、カミエル王国から敵軍が攻め入って来た時に1列でしか通れなくして、速度を落とす為だと聞いているな」

「本当に国の上の人達っていつまで争うつもりなのかしらね」



 私は魔法で前方の道を普請をして平らにして、通った後を元に戻すようにしました。

 「対抗馬者が見えたら教えて下さい。魔法を止めますから」

「了解です」


 その後はお尻が痛くなることも無く、スムーズに走れました。

道が良くなったことで速度も上がって早めに野営地に着きました。まだ日は高いですが無理に先に進もうとすると夜になって

危険なのでここで野営する事になりました。

 自宅を出して設置したいので広場の奥の岩だらけの場所を平らにしてそこに設置しました。他の人達に見えない結界を張って認識疎外の魔法をかけておきます。結界の外から見ると、大きな岩に見えているでしょう。


 自宅は何時ものようにお馬さんの牧草地付きの旅行用携帯キャンプセットです。勿論バストイレ付ベッドルーム付きの家付です。何時もの事ですが皆さん驚いています。皆さんがお馬さんのお世話をしている間にお風呂と夕食を準備しておきます。


 ジョーイさんがお馬さんのお世話を終えて入ってきました。

なので1度は言ってみたかったあのセリフを言ってみましょう。


 「あなた、お帰りなさい。食事にします?お風呂にします?

それとも……」

 次の言葉を言う前に他の冒険者の皆さんがどやどやっと入ってきました。ンもう!空気読んでよね!と理不尽な事を思ってしまいました。

 あ、言っておきますがジョーイさんは奥さんと死別して現在花の独身生活を満喫中だとの情報を得ておりましてよ。ギルド職員のアジサイさんから、日本製のお菓子で釣って聞き出しております。なので決して不倫ではありませんよ。


 でもね、私の外見が16~17歳に見えるので子供にしか思っていないんですよね。悲しいことに……


 今日は休憩できる広場が無かったのでお昼ご飯抜きでした。

なので、食事が優先になりました。


 夕食はレッドドラゴンのカツ丼にコーンスープ付にしました。

なにしろ最高級肉ですから皆さんが美味しさに悶絶していました。

 今回も男性陣は2階のお部屋を使って頂くことにして案内します

 お風呂とトイレの使い方は先に教えています。

護衛のメンバーは4人組の男性2人、女性2人のパーテイーと男性

だけ3人のパーテイーです。どちらもBランクのパーテイーだそうです。

 女性2人は1階の1部屋を使っていただきます。そしてシャンプーリンスを1本ずつプレゼントしておきました。まだ市販前の商品なのでお店で買えるようになったら宜しくと宣伝しました。


 翌朝

 「「なにこれなにこれ!!髪の毛が凄くつやつやさらさらになったんだけど!!」」


 「「凄くいい匂いがすると思ったら髪の匂いだったのか!!」」

とお仲間の男性陣。もう大騒ぎでした。

この匂いは【乙女の香】の香りです。私もこれを使っています。

昼前には王都の高級宿に着きました。護衛の方達とはここでおわかれです。帰りはこっちのギルドで募集するのだそうです。


 「「私達帰りも応募しましょう。お肉もとっても美味しかったし」」

 「そうだな」

1組は決まりそうです。王都のギルドに属している3人組は残念そうにしています。王都での仕事が決まっているみたいでした。

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