第34話  ケルト様完治しました

 お庭の一角をお借りして【植物創造】スキルで、【先天性心欠陥完治薬草】を作り出して収穫しました。それと同時に【スキンケア草】【シャンプーリンス草】【ボデイシャンプー草】を創造

それらをポーションに作成する時に香料とする香草をミンティー様のお好きな匂いを訊いておりましたのでその香りを再現して作っておきました。それと、クラリス様の好きそうな香りも。


 ケルト様完治の暁にスキンケア、ヘアケア、ボデイケアの各ポーションを作成してミンティー様やクラリス様にプレゼントしましょう。多くの女性男性も欲しがるでしょうから沢山作っておきましようね。何しろ消耗品ですからね。



何はともあれ、今はケルト様を完治させることが第1目標ですね。

皆様にお集まり頂いて特級ポーションをお見せします。

「ゾルザル様、鑑定お願いいたします」

「お任せください……おお、おお、まさしくこれは生まれついての心の臓の欠陥を完治させる為の特級ポーションです!」


「ではケルト王子様これをお飲みください。大丈夫、苦くはありませんよ。むしろとっても美味しいです」

「う、うん、どれ……」

100㏄のポーションは一気に飲み干されました。


すると王子様の身体がパーと神々しく輝きゆっくり通常に戻っていきました。

(ええ!こんな効果エフエクトが発生するなんて思いもしませんでしたわ)

「「「仙女様なんと神々しい!」」」

私の身体も輝いていたようです。


「診察鑑定!」

治ったことを確認します。

「治りました。完全治癒しました」

私が宣言しますと皆さん歓声を上げて喜んでおられます。仙女ユイ様本当にありがとうございました。これこの通りです」

ミンティー様、クラリス様ケルト様が頭を下げてお礼を言って下さっています。私は慌てて頭を上げて頂きました。


「ケルト様もうこれで、飛んで刎ねて走っても大丈夫です。でも

闘病生活で、筋肉が弱っておられると思いますので徐々に筋力を

取り戻すようにして下さい」

「はい、ユイ様」

ケルト様のお顔も今は赤くなっておられます。病的な白さではありません。でもこの赤みってまさか……私を見る目も何かしら潤んでいるような……

いけませんいけません、その様なうぬぼれた考えは……ではプレゼントをお渡しして退散いたしましょう。

「あのう、ミンティ

ー様、クラリス様これを受け取ってくださいませ」

「これは?」

「まずこれは、お顔のお肌の調子を美しく保つための化粧水ですそしてこちらが身体を洗う液体石鹼です」

「そしてこれは髪の毛を洗って良い状態を維持するものですで私の髪もこれで洗いました」

「本当につやつや柔らかな御髪ですわね。それに良い香りがします」

これはミンテイー様のお好きな香りをイメージして作ったものです。名付けて【優美ゆうび】と言います。

クラリス様のイメージのは【乙女おとめ】にしようかと思っています」

「「あら素敵」」

「あの男の分は無いですか?」

ケルト様が羨ましそうに言います。

「ございますよ。男性用は【ダンデイ】1種類だけですけれど」

「有難う御座います。ユイ様」

「セレフイーこのお屋敷にいる従業員は何人?男女別々で」

「男性がゾルザル先生を含めて7人。女性が10人です」

「そう、判ったわ。それじゃ私から我が家の家族全員にわたくしからにプレゼントということでユイ様、【ダンデイ】10本と【乙女の香】を20本。それとボデイ―シャンプーを30本売ってくださいませ」あ、でも消耗品だから予備も用意しておかなくちゃダメかしら?」

「それでしたら国王様からこのマジックバックを届けるように言い使っておりました」

マジックバックを取り出して使い方を説明します。説明書を用意しておきましたがケルト様にも聞いて頂きました。

「これで、私がどこにいましてもお手紙を送って下さればこちら

に送って寄越すことが出来ますのでご安心を」

「代金は現金ですか?」

「いえ、商業ギルドからでも冒険者ギルドからでも私の口座に振り込んで頂ければ結構です。商品が届きましてからの振り込みで構いません」


シャンプー類をお渡ししてそろそろ失礼しますと言ったところで

「駄目よ、これが使った結果を見届けずにお逃げになるつもり?」

失敗しました。これじゃ逃げられません。

更に、クラリス様からおばあ様にユイ様のお料理を振る舞ってはいただけませんか?と追い打ちを掛けられました。

「それでは厨房をお借りします。レシピも用意して料理長さんにも覚えて頂きましょう。リクエストを募ったところ、旅仲間の皆さんに「是非お寿司を」と言われました。

そうですよね、ミンテイー様も海の有るベイルント王国からいらしているのですから海産物が懐かしいでしょうからね。



 厨房に移りまして、収納から前回余分に作って置いたお寿司を料理人の皆様にも味見して頂きました。

「うん、これは絶対に覚えておかなければ、新鮮な魚介類は奥様のマジックバックで送って貰えば良いのですからなあ」

料理長さんが新しいレシピを覚えるのを苦にしない人で良かったです。古いやり方に固執する方も前世では居りましたからね。


 前世調理師免許を取る時に2年間料理店で実際に働いていましたから色んな人に出会いました。見て覚えろではなくて手取り足取り教えて下さった料理長さんに出会えたことがとても幸せでした。

 ですので、私も教える立場になった時は懇切丁寧に指導しようと心掛けております。

では、お米の炊き方から始めましょうか。

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