第30話 3泊目と海賊退治
3泊目の夕食はチャーハンとオニオンスープにしました。
私のガスコンロは家庭用で、中華料理用の強火力レンジではなかったのですが、魔力対応になったことにより強火力になりました。シンフアさんの目の前で中華鍋で鍋振りを披露したら
「わ―凄い凄い、このような料理方法初めて見ました。是非姫様にもご覧いただきたいです。宜しいでしょうか?」
私が了承すると結局は騎士団の皆さんも集まって来てしまいました。自宅のキッチンはアイランド型になっているので前後左右から見られています。なんかやりにくいですけれど、一生懸命鍋を振り続けます。
オニオンスープは以前に作っておいたものです。
「料理って芸術的なものだったんですねえ、初めてああいうパフオーマンスを見た後の実食はまた格別に美味しいですねえ」
「さようさよう如何にもごもっとも」
何がいい方向に作用するのか解らないものですね。
で、野営は今日で最後の予定です。明日の朝食を提供したら王都に到着する予定です。
ということで本日の朝食は皆さん個人個人のリクエストに答えてお出ししました。
1番人気はソーセージパンです。飲み物はコーヒーでした。
クラリス姫様は果実たっぷりのサラダでした。シンフアさんも同じものを頼んでいました。
王都に到着して、盗賊団の親玉と手下の死体を騎士団にお渡しして国王陛下に謁見して、ポーションの販売取り決めを商業ギルドの担当者さんと話し合い、転送機能付きマジックボックスの販売を国の担当者として取り決めして一息ついていると騎士団から応援要請を受けました。海賊船が港に入って大砲を撃って来て、食料、飲料水、金銀財宝を寄こせと脅しているとの事でした。
この国の大砲の射程距離はせいぜい300m程度なので。港から奥にある王都には届きません。ですが港町に被害が及ぶ可能性があります。
「それじゃあ、まず私が海賊船を500m沖に転送して港町及び
漁船や商船に防御結界を張ります。大砲を撃ってきたら反射させて、海賊船を無力化させます。そしたら今度は皆さんが船で海賊船に近寄って海賊船上で白兵戦を行って海賊共を逮捕してください」
そう言い残して私は港の方へ飛行魔法で飛びました。
いました!。まるで漫画のようにドクロのマークを帆に描いた黒く塗った船です。船体の横に穴が開いているのは大砲の砲身を出す穴でしょう。
町のものと思われる船から500m沖に海賊船を転移させました。
遠距離視で海賊船を観察すると何が起きたのか解らずに大慌てで右往左往しています。
私はその間に港町を守るべく反射付き防御結界を張りました。
海賊船は元の位置に戻るべく全速力でこちらに向かって来ます。
でも結界に阻まれて、と言うか衝突して跳ね返りました。
『くそっ大砲だ、大砲を撃て!』
船長らしき男の声が感じられます。
撃ってきました。
ズドーーン!!
一瞬結界が赤く光ります。弾丸ははじき返されて敵の撃ってきた砲門に命中しました。
『敵も攻撃して来たぞ!左舷砲門すべて開け!直ちに発射せよ!
撃て撃て撃てー!!』
敵の攻撃は全て反射して、こっちは一つも攻撃していないのに海賊船はボロボロになっています。
「ユイ殿,着きましたぞ。直ちに小舟に乗って海賊船に向かいます!」
騎士団長さんです。丁度良い所に来ました。
お願いします!乗組員は動けない様に拘束魔法を掛けておきますね」
「
騎士団は5艘の小舟に分乗して海賊船に向かい、縄梯子を引っ掛けて次々と船上に乗り込みました。
海賊側の反撃は有りません。あっと言う間に海賊船は騎士団の
軍門に下りました。
船内にはよその町で攫われた若い女性が6人乗っていました。
冷や汗ものです。調子に乗って海賊船を沈めないで良かったです。船内の様子をもっと詳しく調査しておくべきでした、反省反省。
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