第13話 国王陛下からの召喚状

 その日は商業ギルドで購入可能な数量のポーションと聖水を卸して、次回は1か月後に訪ることを約束して商業ギルドを出ました。


その後カキフさんのお店を訪ねて買いたい物を物色して、野菜の種、花の種、調味料やら玉子やらを買占め状態にして

(足りなくなったものは直ぐに仕入、品出しする)とのことだったので安心して買い占め出来ました。

その後は武器屋に行って、弓矢を買い揃え冒険者風の衣類と、防具を買って、今日は今帰ると途中で夜になるので宿を探して少し綺麗な建物の宿屋に入りました。

安宿だと安全性が心配だったのです。

食堂も経営していたので、異世界初の料理を戴きました。

「うん、美味しい」薄めの味付けだけど素材の持つ味が充分に生かされています。


 ごめんなさい、噓つきました私はこの世界の素材についてはちっとも知らなかったのです。

ですから出された料理に何が使われているのかも全然分かりませんでした。素材の味なんて判る訳もありません。

なので売っていた種を全種類買ってこれから畑でどんな野菜が採れるのかを調べるのです。


翌朝早く、宿を出て家に帰ります。

帰りは冒険者風のいでたちで出発しました。

一応腰に剣を下げています。練習がてら弓矢を使って

魔物にたちむかいます。初めは殆ど当たりませんでしたが、1度当たったら面白いように当り出しました。

はずれた矢は自動的に収納されるように設定しています。

家に着くころには【弓術】中級になっていました。

遠距離攻撃が出来たのが有難いです。


さて、我が家に帰ってきまた。私は大事なことを忘れていました。私が収納している物は複製出来るってことを……。

冷凍庫に入っているお肉や食材を食べきる前に複製しておけば良かったんだ!

日本の鶏肉も豚肉も……。

ほんの少しだけ残っていた鶏肉を1千倍にして錬金術で纏めていくとブロック肉になりました。それを1口大に切り分けていくと、親子丼や唐揚げに使えそうです。

ラッキー。今夜は鶏肉パーテイーです。


でもその前に、インスタント袋ラーメンとかカップ麺も忘れずに複製して置きましょう。

醤油や味醂,味噌、顆粒だしも複製して置きます

この世界では手に入らなかったんですもの。そうそう

チンするご飯や冷凍食品もみんな複製して置いて時間停止の収納に入れて、冷蔵庫の中をすっきりさせておきます。ここではお高い、塩、コショウも複製しておきましょう。


こんな便利な能力を与えてくださって神様、有難う御座います

日本の神様なのか、この世界の神様【イザカミ】様のおかげなのか解らないけど八百万の神様を分け隔てしない日本人だからどの神様でもいいよねウフフ。


さて今日は買ってきた種を播いてみましょう。

鑑定で種の名前が判るのは有り難いです。


種をまいて翌日には殆どの種が発芽していました。

1週間のうちにみんな花が咲き、実をつけました。

うん、これとこれは葉物野菜だったのね。

これはキュウリかな、おお、これらは根菜か、芋も

有るわね。毎日色んな野菜料理を食べられます。

でも、でも、トマトが有りません。無くても生きていけますけれど、サラダの赤い色が無くて緑系統一色なのです。


そうよ、無ければ作る。

【植物創造】でトマトを思い浮かべて創造します。

出来ました。知っているトマトの色、味、食感です


なんだかんだとやっているうちにあっと言う間に1ヶ月経ちました。バイバイシテイーに行く約束の日がやって来ました。

今度は転移魔法で街壁近くまで跳びます。

飛行魔法より魔力を使いますが、一瞬で目的地に跳べます。

気を付けないといけないのは知らない地点に跳んだ場合、崖下に落ちたり地中にめり込んだりしてしまいかねません。

なのであらかじめ、着地地点の様子を知っておく必要が有ります。

この前帰宅の際に確認して置い街道から少し離れた旅人の目に付かない所に着きました。ここからは歩いて行きます。人の倍以上の速さで歩けますが

それでも10分掛かってしまいました。

今日は初めから冒険者風衣服で来ています。

この前は日本のGパンTシャツにジャンパースタイル

だったので、人目が気になりました。


怖いお兄さんに絡まれることも無く、商業ギルドに到着しました。


「待ったましたわ。国王陛下からの召喚状を預かっておりましたわよ」

ギルマスのライラさんにギルマス部屋にドナドナされて開口一番驚異の言葉を言われました。

どうしましょう。国王陛下に謁見する衣服なんて有りません。

こんな正体不明な平民女よ。礼儀も何も判らないのに……。




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