第11話 情報収集、冒険者ギルド
カキフさんの馬車の中で色々と話し合いました。
「わたくしを救ってくれたポーションは魔物のドロップ品
ですか?」とメルリさん。
Cクラスの冒険者さんでした。中堅くらいの位置にいるそう
です。20代後半から30代前半でしょうか?女性同士でも
おいそれと年齢を聞くのは
「いいえ、私が作った中級ポーションです。実は他にも
初級ポーションや、上級ポーションなんかも作って持って
来ています。痛み止めとか風邪薬とか一つの病気に特化した
ポーションとかも」
「あの効き目で中級ですか。正直言って、もう助からないと
私は思っておりました。てっきり上級ポーションなのではないかと思っていました」
「ユイさんは【
「いいえ、【調薬】と【錬金術】の上級スキルだけですが
ひょっとしたら【薬師】スキルが無いとポーションを作っ
たり売ったりしてはダメなのでしょうか?」
「いえいえとんでもない。調薬スキルは薬師スキルの数段
上の特級スキルと言われています。今ではそのスキルを
持っている人間はいないとされている幻のスキルなのです。
只、信じられないから、実際にポーションを作る工程を
見せて頂く事になりそうですけれど。あ、申し遅れました
私は商業ギルドの副ギルド長を務めさせて頂いております」
「実際の調薬をお見せするのは構いませんよ薬草も沢山
持って来ておりますし」
【フアースト迷宮産の薬草をですか?それは凄い。おそらく
我々が初めて目にする薬草も有るのでしょうねえ」
街に入るのには身分証明書になる冒険者ギルドカードか商業
ギルドカードが必要なそうで今回はカキフさんが身元保証人
を勤めて下さるということですんなりと街に入ることが出来
ました。
最初に冒険者ギルドに行って登録と、ドロップ品の買い取りを
してもらう事になりました。
ポーション販売は、商業ギルドで作成実証して見せてその結果
で買い取り価格を交渉する事になりました。
その場に冒険者ギルド長にも立ち会いを依頼するのと、
私の持ち込む素材がとんでもない貴重品なので大騒ぎに
なるのを恐れてギルド長室で買取依頼することになり
ました。
それらの事を記した手紙を【紅蓮の炎】のメンバーに託し
て一足先に届けて貰うことになりました。ご苦労様です。
私は身体強化とスタミナアップのポーションを若手の2人
の男性メンバーに渡して
「お手数掛けて申し訳ありません。どうか宜しくお願い致
します。と頭を下げると、2人ともポっと頬を染めて
「おお、任せておきな」「どうってことないさ」
と、颯爽と走って行って下さいました。
「もう、あいつらったらわたくしのいうことにはいちいち
文句を言うくせに、ユイさんに対しては全然態度が違うんだから」
メルリさんが言いました。
「あいつらまだ16,7歳だから、同い年位の優衣さんの
方が
いいに決まってるさ」とちょっと年かさの男性メンバーの
カンツさんが言います。
「あのう、私はもう20歳を超えてますけど」
と、訂正すると
「「「エエエエエーーー」」」
と驚かれました。
「わたくしまだ15歳くらいだと思ってましたわ」
「俺もだ」
「私もです」
本性50歳の私としては嬉しさもあり、照れくささも有り
申し訳なさで一杯です。
私たちが冒険者ギルドに着くと早速ギルド長室に通され
ました。
ギルマスはトラッドさんと言って、壮年の苦み走ったいい男
でした。
(私の好みかもなどと思った事は絶対に内緒です)
登録はひと悶着ありましたが、ギルマス権限でCクラスで
登録出来ました。Bランクのクエストを5件達成すれば
Bランクに上げると約束してくれました。Bランクになれば
Aランクのクエストを受注できます。それとともに何かの
時には強制参加の義務が生じます。
素材の買取価格は思いがけない高額でした。
特にフアースト迷宮固有の魔物(と思われる)
王都に送ってオークションに出品するそうです。ですので
その分のお金はオークション後に支払われることになり
ます。
代金はギルドカ-ドの口座に振り込まれました。
お買い物の時はカードで支払い出来ます。停電が無いことを
考えると現代日本よりすすんでいます。それでも市場の屋台
での買い物にはまだ現金の小銭が必要ですので
20万デン分は現金で支払っていただきました。
さあ、次は商業ギルドでのポーション作成実証です。
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