第9話 スキル【植物創造】

 【調薬】スキルを使ってポーションの製造に勤しんでいます

こっちの世界でお金を得るためには私の家の周りに豊富に有る

薬草を使ってポーションを作って、販売するのが手っ取り早い

と思ったからです。

 薬草だけを売るのも有りですが、少しでも付加価値を付けて

高く売りたいのです。


 製薬知識はスキルを獲得した時に頭の中に叩き込まれ

ました。初級ポーションは1本1000デンで販売される

ので、卸値だと半額の500デンが関の山でしょう。

それより安く買い叩かれるようだったら薬草だけの販売に

切り替えます。


 制作方法

 薬草を細かく切り刻んで薬研やげんで磨り潰して熱を加え魔力を注ぎながら静かに攪拌します。魔力が万遍なく行き渡った時に火を止めて、冷まして濾紙で濾して瓶に入れます。

100㏄のガラス瓶が普通に使われているようです。

 コルクの蓋をして封印の紙(1年間腐敗しないように魔法を

付与した魔方陣を印刷した紙)を張って完了です。


 この工程を錬金術では錬金釜を使って短時間で済ませます

上級錬金術では錬金空間の中で行い、ビンとコルクと薬草

を自動で作成して封印シールを張った状態までこなして複製し

て1度に1万本作成出来ます。但し見本となる完成品を1本入れ

ておく必要があります。原材料は無限に存在する魔素です。

これが魔法世界の凄い所です。


 初級ポーションを作成する方法は2種類有ります。一つが今述べた方法で、もう一つは上級ポーションを聖水で希釈して

中級ポーションを作り、さらにそれを希釈して初級ポーション

にする方法です。級の違いは色で分かりますが、容器のビン

でも区別します。


上級ポーションも、最初の1本は手作業で作りますが充電式の

ジューサー(この世界では魔力で動くように改造されて

います)を使って作業効率を大幅に向上させて、不純物を

除去する濾過工程もドリップコーヒーの器具や濾紙を使って

濾過します。そうして出来たポーションを鑑定すると

【上級+ポーション】と出ました。濾紙で不純物をほとんど

取り除いたのが良かったのでしょうか。

試しに飲んでみます。

 おえっ不味い!草の苦みやら青臭さがひどいです。これが

上級ポーションなの??

怪我や病気で苦しんでいる人にこんなの飲ませられない。

私は採取してきた果物の中から美味しそうなブドウを選んで

ジューサーで薬草とブレンドして作り直しました。


うん、美味しい、これに決めた。鑑定しても上級+は変わり

ません。


【植物創造】だけど、例えば風邪薬とか痛み止めとか

二日酔いを無くする薬効を持った果実が出来たら良いんじゃ

ないかなと軽い気持ちで作ったのが風邪薬の実とか

痛み止めの実などが出来ましたが、果実のままだと日保ち

しないので、これもジューサーでジュースにして濾紙で濾し

て瓶詰しました。錬金術で作った商品名を書いた説明書を

貼っておきます。これも有効期限は1年にしました。


 調子に乗って色んな病気の薬の実を創造していきます。

取り敢えずそれぞれ1万個ずつ作っておきましたが

売れ行きを見て個数は調整しましょう。


 さあ、明日はいよいよ街へ行きましょうね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る