第4話 近くの森へ

新居で翌朝を迎えた私は日本から付いてきた食料で朝食を

済ませました。でも、冷蔵庫に入っていた野菜は

玉ねぎ、人参、ジャガイモ、だけで、カレーライスやポトフ

シチュー用に買って置いたものです。

葉物野菜が欲しいです。サラダが食べたい。


「ガイちゃんいる?」

「いるよどうしたの?

「森の中に食べれる植物が無いか探しに行きたいの。案内

してくれない?」

「いいよ。でもあそこには魔物が居るから剣を持って

行こうね」

どうやら初めての魔物との戦闘があるかもしれません。

でも不思議なことにさほど不安はありません。

町に行く為にはどのくらいのレベルにならないと

いけないのか確認すると、この森の1番強い魔物が40

程度なので、複数相手にすることが有ると考えると

最低でも80位にならないといけないらしいです。

先は遠いです。


 私の家の敷地と森とのも境には結界と言って森から

敷地内に魔物が入って来れないように目に見えない

壁が有りました。でも、私は普通に行き来出来るそうです

だから森で魔物と遭遇して、倒せない相手だったらこの結界

内に逃げ込めば安全です。


 森の中に入ります。足元に草や木の新苗が生えています。

でも私が知っている食べられる植物が有りません。というか

日本の木や草とは見た目が全然違うのです。


(名前も性質も役に立つのか毒なのか何も判らない。

鑑定能力が欲しい)

私は切実に願ってしまった。すると

「【鑑定スキル】の獲得にはレベル2以上が必要だよ」

「ガイちゃん心を読んだ?」

「ごめん、駄々洩れだったからつい、てへっ」

「ま、いいけど」

(気を付けよう。欲望は押さえつけておこう)

「でもレベルって?」

「強さの基準ってとこかな。今の麻衣ちゃんのレベルは

1だよ。もっとレベルが上がると色々なスキルを覚え

られるよ」」

「どうやって上げるの?」

「手っ取り早いのは魔物を倒すことだね」

「私喧嘩もしたことないんだけど……]

「でも、スポーツなんかで戦ったことは有るでしょ?」

「うん、それはまあ」

「その感覚でやれば良いよ、真衣ちゃんは自分が思ってる

よりもずっと強い子だよ」

(強い子って、こんなおばちゃんに向かって、フフフッ)

「今の真衣ちゃんの姿はこの世界では16歳位にしか見え

ないよ」

また、心を読まれた。まあガイちゃんにならいいか。

そうね、欧米の人から見たら日本人は若く見えるって

いうしね。


日陰の小道を歩いているとゼリーみたいな丸い物が

プルプル震えている。

「ガイちゃん、あれ何?」

「スライムっていう魔物だよジャンプしてぶつかって

来るから気を付けて」

と、ガイちゃんがいってるそばからそれは私に向って

飛び掛かって来た。

バレーボールみたい。

私は腰をレシーブの要領で腰を落として両腕でそれを受け、真上に飛んだので

ジャンプして思い切りスパイクした。それは地面に

叩きつけられぺしゃんこになって細かい光の粒になって

消えた。

『レベルアップしました。レベルが2になったので

スキル【鑑定】初級を覚えました』

ガイちゃんじゃない女の人の声が聞こえました。

(やった。鑑定スキルゲットだ!)

スライムの消えた後には宝石の様な水色のビー玉が落ちて

いるので早速鑑定します。

[スライムの魔核。1個100デンで売れる。1デンは

1円と同等の価値。冒険者ギルドか商業ギルド、魔道具

制作所などで買って貰える]

だそうです。結局町に行かないと売れないみたいね。

早く強くならなくちゃ。

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