第2話 ガイダーとの遭遇
どうやら本当に異世界に来てしまったらしいので
私は真剣に今後どうするか考えました。
1,わたしの身体能力の確認
2,この辺の状況確認
3,近くに人の住む町が有るか?
4,日本のお金は使えるか?
5,その前に私の部屋の電気水道ガスは使えるのか?
水道は使えます。電気も来ています。ガスも使えます。
どうやらしばらくはインフラは大丈夫なようです。
但しいつまで使えるのかは不明です。いつ完全に
使えなくなるか判ったもんじゃ無いのです。
今度はこの辺の調査です。まず道通りに歩いてみます。
道の両脇は草叢です。今は冬だったのにここは春みたな天候です。そしてその草叢の中に気になる花が見つかりました。
ピンクの一重の10㎝位の花がキラキラ光っています。
私は思わずその花の傍に行きました。どうにも気になって
しまったからです。
『あたしに何か訊きたいことが有るの?』
その花が私の頭に直接話しかけて来ました。
『ここは何処?貴方は誰?』と私。
『ここはテレンス世界のフアースト迷宮よそしてあたしは
ガイダーよ。教え導くものよ』
その仮面〇イダーみたいな名前の花が答えてくれました。
『私は優衣、別の世界で昼寝をしたら、いつの間にか
この世界に来ちゃったみたいなんだけど、どうしてか
貴方判らない?』
『あたしには判らないわ。でもあたしがここで優衣に
会ったということは優衣はこの迷宮に呼ばれたのかも
知れないわね』
しばらくの沈黙の後ガイダーは言いました。
『ということはこれからずっと優衣と一緒にいないと
いけないみたいね』
そう言うとガイダーの花はポンと音を立てて白い煙と
共に真っ白な毛玉に変身しました。もふもふの真ん丸な身体に
黒い目と小さな赤い口がとっても可愛らしい。
どこかのキャラクターみたいです。
「これでテレパシーだけでなく言葉で意思伝達出来るわよ」
「じゃあ、ガイチャンと呼んでいい?」
ガイダーよりは可愛いと思うので提案しました。
「いいよ優衣ちゃん」
ガイちゃんは私の肩にぴょんと乗ってほほに毛玉を
スリスリしてきました。
外見は20代になったけれど、中身は50歳のおばちゃん
なのでちゃん付けに照れ臭い反面嬉しさもありました。
「ねえ、ガイチャンこの辺に人の住む町や村はない
かしら?」
「50km先に有るけど魔物が出るから優衣ちゃんも
もっともっと強くならないといけないよ、でないと
直ぐに殺されてしまうんだ」
何だか殺伐とした世界みたいです。
「では私、これからどうすればいいと思う?」
「毎日走ったり、剣を振ったりして、体力をつけ、
筋力もつけないとね」
なんか昔々、学生だった頃を思い出します。これでも
私はスポーツ少女だったのです。バレーボールで
国体に行ったこともあるのです。行っただけ、1回戦敗退
だったけど……。
「その為に、ここじゃない別の場所に移動するわよ
そうそう私物を持っていかなくちゃね。優衣ちゃん
(私物を全部収納)と思ってみて」
私(私物を全部収納)
「うん、出来たようね。次は収納物確認と念じて」
私(収納物確認)
すると何やらスクリーンみたいな物が目の前に現れました。
そこには、自宅一式と書いて有りました。
「それは優衣ちゃんの住処に着いたら取り出すんだけれど
今はまだ確認だけね。じゃあ行くわよこの道を良いという
まで走ってね」
「うん」
こうして私の異世界での45年振りの特訓人生?が
始まりました。
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