第3話

「ぐぇ!」という叫びと共に目を開けると、私は教室の机に突っ伏していた。

「何だー、物理じゃん」と寝なおそうとしたが、「何だ、じゃない!佐倉桜!堂々と授業中に寝ているんじゃない!」と物理の角田が教科書の角で頭のてっぺんを突いてきた。

「せんせー、そこダメです。そこを突いちゃうと大変なことになります。」

「何でだ?」と角田は不思議そうな顔をした。そこで生徒の話に乗っかってしまうから、40を過ぎても独身なんだと思う。

「そこ、下痢になるツボです」血行が良くなって、場合によっては速攻の効果があらわれんのよ。これは、研究所勤めをする前に実家のお母様から教わった経絡の…、って経絡って何?

そもそも研究所って何よ。私は山森高校1年D組25番、佐倉桜。名前のおかげで誰もがフルネームで呼ぶけど、ピッチピチのナウでヤングな現役女子高生なんだけど。

そう思っていた所で、隣の化学実験室で叫び声が聞こえた。

と、次の瞬間、私は吹っ飛ばされた。「あ、ガス爆発…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る