279 二人

岸澤「高峰くん、さぁ」

高峰「ん、なに?」

岸澤「何か隠していていない?」

高峰「隠してはないよ」

岸澤「右目、痛くなくなったの?」

高峰「う、うん。まぁ」

岸澤「犬ちゃんが言ってたよ。ご主人様、独り言が多いって」

高峰「……」

岸澤「なにか見えているのんじゃないの?」

高峰「……」

岸澤「ねぇ、答えてよ」

高峰「確かに、変な光景が見えるようになった」

岸澤「やっぱり」

高峰「で、でも、それがなんなのか、わからないんだ。誰かわからない男女二人組がでてくるしさ、その二人は面識はないことは確かなのに、何故か親近感が湧くしさ。僕も頭がイカれたんじゃないかと思ってさ……」

岸澤「だけど、それでも話してほしかった」

高峰「!?」

岸澤「だってここまで二人で来たじゃない」

高峰「……そうだけど……」

岸澤「だから、本当に困るまで抱え込まないでよ。困ったんなら、助けてって言ってよ」

高峰「ご、ごめん」

岸澤「…………バカ」


残り278

〜続く〜

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