第2話 第一話

9/12

未来のぼくへ、こんにちは。

ぼくの名前は君と同じ名前の「そい無ルカ」です。

今日はぼくの10才のたん生日です。

それを記念して、日記を書き始めてみることにしました。

でも日記を書き始めたのはもう一つ理由があって、何か、何かを思い出しそうな気がしたからです。

今の君はその「何か」を知っていますか?

どうしても引っかかる何かがあるんです。

例えば、人切ようち園からの友達、「網中アダト」。

漢字もバッチリ調べたからこれで合ってると思う。

何か思い当たることがあるんだ。

ポータル…その言葉が連想される。

あと、レイ。

かの女も頭の中に、ねむる時に思いうかぶ事がある。

分かったら教えてほしい、未来のぼくよ。

日記だけはゆいいつ君とつながれる場所だってアダトが教えてくれた。だから、信じてみることにする。

お願い、とどいて。


そい無 ルカ  より。



厨二病だって言われるようになったのは10歳辺りからだ。

「何かを忘れている気がする」

「誰も信用できない」

「自分には前世がある」

「世界は闇だらけ」


…これら全ては実際に思っていることだけど、これを全否定されるうえに厨二病扱いまでされる。

親の意向で誘われるように入った「人切幼稚園」。

この世界には無くてはならない存在だ。

だけどまず、この世界が当たり前になっているのもおかしい気がする。

俺達は本当に


2268年…


人狼は不老不死を手にした。

人の体が死んでも、心が残っていればその心ごと他の物に移植するという方法だ。

僕らは人間ではなく、移植される「物」。

一番成功率が高い「思想を持った猫」として僕達は生まれてきた。



かつてそれらで世界は狂っていなかったらしい。

だが、「この世界の主」と呼ばれる5人によって世界は狂ったらしい。

5人はバラバラに別れて、今は普通に暮らしているそう。

最近はその5人のうちの一人じゃないか、何て想像もしてる。

アダトも…その一人なのかな。

もう分からない。

何も信じられない。

僕は…一体何者なんだろう。

僕は勝手に移植材料に使う人間が嫌いだが…


僕も元は人間だったんじゃないのか…?




いや、駄目だ、思い出したら駄目な気がする


消される

消される

消される

消される

消されるよ!!

駄目だ!!この意見だけは忘れる前に…

未来の僕へ届

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