【クレイジーワールド番外編】クレイジースタート

時雨☆

第1話 俺達に生きる世界はない



外が明るい。

朝、あるいは昼だ。

そう決めたのは誰だろうか。


外が暗い。

夕方、あるいは夜だ。

そう決めたのは誰だろうか。


厨二病かも知れないが、俺は"常識"に纏わりつくのが嫌いだ。

俺達が信じている"常識"

それが本当だとは思えない。

だって現に、俺達の"常識"はどこか外れている部分もある。

例えばだが、俺は頑張っても報われない。

誰だ、「頑張れば報われる」とかいう奴は。

いつそれが常識となった。

例えばだが、俺は彼女ができない。

誰だ、「何だかんだ結婚するんだ」とかいう奴は。

いつそれが常識となった。

ほら、2つも見つかった。

例外だって居るんだ。常識ごときでこの世界を回さないでほしい。


実際、そう思ってるのは俺だけではなかったみたいだ。




???「ルカ!帰ろうぜ!」

ルカ「あ、アダト?ごめん俺環境委員だから掃除してから帰る」

アダト「じゃあ待ってるぜ」

ルカ「おう」

一人目は編中アダト。昔からの親友だ。

アダトも何処か俺…添以夢ルカと似てて、綺麗事を嫌う。

いつかはこの世界を抜け出して、俺たちだけの世界を作ると言い張っている。

ルカ「終わった」

アダト「ごめん、俺、好きな奴に着いていきたいから、付き合ってくれんか?」

ルカ「は?ストーカーしろってことかよ」

アダト「頼むよ〜、俺あいつ好きなんだよ…」

ルカ「……その代わり、名前教えろよ」

アダト「やった!俺の好きな奴は♪

映間レ☆イ♪」


ルカ「は!!!俺の好きなっ…てか、彼女!!」

アダト「妄想の世界では、だろ

お前だって非リアじゃねぇか」

ルカ「うるせぇなてめぇ」

アダト「まあ冗談はさておき、セイラだよ、夏木セイラ」

ルカ「何だ、あいつか。でも確か形馬と付き合ってたぞ」

アダト「何だって!?」


こんな一気に出てくるとは思わんかった。

取り敢えず、映間レイ、夏木セイラは俺達と一緒に遊ぶ幼馴染の女子、形馬ドーペは同じく幼馴染の男子だ。

まあ一見すると俺等はリアルが充実してるように見えるが、全員この世界が嫌いな奴ばっかだ。


俺は運動神経はあるが、とにかく成績が悪い。

そもそも親にバイトをやらされてるから勉強なんて出来やしない。

アダトは成績優秀だが、とにかく運動ができない。

スタミナが直ぐに切れたり、不器用だったり。

レイはクラスのアイドルだが、姉を交通事故で亡くした。

レイの大事な人だったそうだ。

セイラは人間関係が上手く行ってるのに、全責任を負わされる。

よく言えば頼られてる為、迂闊に断れない。

先生にまで頼られている。

ドーペは話したら面白いのに、人と関われない。

オーラみたいなのがあり、一種の病気とまで診断された。

どうしようもないことだ。

だからこそ、「やってないだけ」と言われると腹が立つ。

だから「俺たちだけの世界」を作ろうと、集まったのが俺達だ。

俺達だけの世界を作れば、きっと俺達の思い通りになる。

バイトを無くせば、俺は勉強ができるようになる。

能力を作れば、運動は関係なくなる。

死んだ人を蘇らせれば、レイも元気になれる。

皆が手を取り合って生きていける世界になれば、セイラもドーペも、人と上手に関われるようになる。

きっとそうだ。そうに違いない。

そう思っていた矢先、天才アダトが遂に、「世界のポータル」を作り出した。

これで適当に作った、何もない世界に行くことができる。

決行は来週の月曜日の朝、あの4人とこの世界から抜け出してやるんだ。

じゃあ、ここの世界での日記は更新を停止しようと思う。

じゃあな、社会の奴隷よ!



【ここで 添以夢ルカ の日記は途切れている】



【ここで 粗  逝 無ル k  の日  日き

伽伽伽てい u

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