二七。封蝋

 許されぬ恋をした中年女性が死んだ。出せず終いの恋文が部屋から大量に見つかり、どれも封蝋がされていた。現場検証の警官たちは封を切り、あられもない求愛の言葉に爆笑した。直後、全ての警官は視力を失い、亡霊の怨嗟の声の下、現場は阿鼻叫喚と化した。眼球は封蝋に灼かれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る