第125話 ……羞恥プレイでした
これは俺の切実な願いなのだけれど、マジで婚約者に用を足す時の介助をされたくない。
小さい方でも凄く辛いのに、大きい方をされたら、本当に何度でも自殺したくなる。
これが普通の大貴族の令嬢だったら、まだ俺の介助を嫌がってくれたかも知れない。少しでも他人任せにしたり、絶対に見ないようにしてくれたりした……かも知れない。
でもさあ!?
相手はあのオリンピアなんだよ!?
俺が勝手にいつの間にか育てていたらしい闇ンデレ入りの人間爆弾女なんだよ!
ニコニコしながら全部されたんだ……。
しかもデボラと昼夜交代なんだぜ!!!?
下の毛がもう生えているってのに、母親にだって介助はされたくねえよ!!!!!!!!!!!!
…………。
結果として俺は死にものぐるいでリハビリを頑張り、全治半年を2ヶ月の時点で自力で用を足せるまでになったのだった。
やっぱり排泄は人間の尊厳が関わる大事な行為だと思う。
俺は怪我が治ったらこの世界のトイレ事情を絶対に改善する事と、前世の知識から世界一のトイレを生み出そうと決心を固めたのだった。
その間にも大勢の見舞いが来てくれた。
ヴァロもテオドラ嬢もポンポニアもコンモドゥスもアレクトラさんもクリッピアヌスも、それから帰陣したマリウス卿とレリア伯母様にレクスもキプリオスのじいさんも、クレオパトラ嬢もテミストクレスも、俺より先に回復したスティリコさんも、後は手紙でルキッラ総督達やペトロニウス、ストラトス達からも、ガイウス殿下やエウゲニオスさんや領地の人達からも……最後に、ヴァリアンナ嬢とディーンも。
ほぼ1週間寝ていたと言うヴァリアンナ嬢からは綺麗に1巡目の世界の記憶だけが抜け落ちていて、瞳の色と髪の毛が真っ黒に変わっていた。
闇属性が本来の2巡目の世界の……ヴァリアンナ嬢の属性だったらしい。
「ごめんなさい、あたくし……ディーン様とリュケイオン学園の前で待ち合わせた時から記憶が曖昧で……」
「良いんだよ。あんなにショックな体験をしたんだから……忘れていた方が良い事もあるし」
「カインのお兄様……もしもあたくしがいつか思い出せるようになったら、その記憶にも立ち向かえるようになるのでしょうか」
「絶対に1人でやらないようにね。色んな信頼できる人の助けを借りながらゆっくりとやっていけば大丈夫だよ」
「ええ。……ええ!」
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