1162 オノレ、千尋……
飯綱ちゃんとの会話を終え、色々と学ばされた倉津君。
その後、ホッと一息つきながら周囲を見回していたら、樫田さんが……
***
「ねぇ、みんな、ちょっと聞いてよ」
……っとまぁ。
千尋の、この一言で、バラバラに遊び始めていた全員が、一旦ステージに注目した感じなんだが……なんともカリスマ性の高い女だな。
たった一言発しただけで、この面子全員の視線を集めるなんざ並大抵のカリスマ性じゃねぇからな。
けど、正しい見解で見た場合は、これは正解ではない。
これ自体は、あのアホ電波のカリスマ性じゃなんかではなく。
真実は、おかしな怪電波を体全身から滲み出させて、みんなの視線を集めてるって言うのがオチでしかない筈だからな。
流石、電波怪獣チヒロンだ(笑)
「あのさぁ。そろそろグダって来たから、もぉカラオケ終了にしない?」
しかも仕切ってやがるし……
けどまぁ、その方が、俺としては楽だから良いんだけどな。
此処で下手に俺がステージに上がらされて、終了の挨拶とかさせられたら堪ったもんじゃねぇしな。
だから頑張れ、毒電波女。
そのまま終了の挨拶までやっちまってくれ。
「あぁ、そうだね。良いんじゃない。私も遊び疲れてきたし」
「賛成。もう良い時間に成ってきたしね。この後、まだエドともデートもしたいし」
「ウチは、もぉ完全に飽きたから帰りたい。バスケの練習したいし」
各々の理由は、どうあれ。
この様子じゃあ、カラオケ・タイムを続行させるのも、もぉ限界だな。
じゃあ電波ウーマン、そのまま、オマエが締めてくれ。
……なんて思った瞬間。
この毒電波女は、本当にロクでもない事を言い出しやがるんだよ。
これが俺の、今日、最大の試練に成る。
「OKOK。じゃあ終わろっか。……って、言いたんだけど」
「「「「「……って言いたいんだけど?」」」」」
「まだ誰か1人だけ、ステージの上で唄ってない奴が居るよね。さて、だ~~れだ?」
お~~~れだ!!
ぎゃああぁ~~~!!
「あぁ、クラッさんだな」
そんな御指名は要りませ~~~ん。
つぅかよぉ。
なんでカジの分際で、毎度毎度オマエは、そう言う俺に関する記憶力だけは良い訳?
気付いても、余計な事を言うなつぅの!!
マジで撲殺すんぞ、この糞イケメン野郎だきゃあ!!
「そぉなんだよねぇ~~。主催者のクセに、真琴だけが、まだなにも唄ってないんだよねぇ。……そんな訳だから真琴、ステージの上に、どうぞ。コチラが指定した締めの曲を歌って貰うから」
イラネェ!!
つぅか、なんだよ。
その指定したラストソングって、不安しか過ぎらねぇ嫌な言葉は?
嫌な予感しかしねぇから……遠慮しとくわ!!
「あぁ、いやいや、俺は主催者だから良いわ。今回は遠慮する。つぅか、そのままオマエが締めの唄を唄え」
「はい?なに言ってるのアンタ?そんなのダメに決まってるじゃん。……はい、皆さん、盛大な拍手でお迎え下さい」
「「「「「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ……」」」」」
ぎゃああぁぁ~~~!!
嫌だぁ~~~!!
こんなもん絶対に、ただの晒し者になるだけじゃねぇかよ!!
みんなも悪乗りして、そんな風に盛大な拍手を送ってくれなくても良いからな!!
これ、ちょっとマジで嫌過ぎるぞ。
「頑張れクラ~~~!!最後なんだから、ちゃんと良い所見せてよぉ!!」
それは無理ッスね、奈緒さん。
どうせ、千尋のこった。
この場で俺はロクデモナイ歌を唄わさせられて、笑い者にされるに決まってるッスからね。
そんなんじゃあ、良い所なんか見せ様がねぇッスよ!!
だから、助けて奈緒さん!!
「「「「「頑張れ、倉津君!!期待してるよぉ!!」」」」」
すんな!!
つぅか、馬鹿じゃねぇのかオマエ等!!
俺は、オマエ等3Bの面々と違って、歌唱力なんか皆無なんだぞ!!
期待されてもなんも唄えんわ!!
だから……替わってくれよ、3B-GUILDの諸君!!
「「「「頑張れ、兄貴君!!ラストの締めヨロシクぅ~~~!!」」」」
マジ辞めて下さいよ!!
唄えねぇって、心で、こんなに念じてるんッスから助けて下さいよぉ!!
【Fish-Queen】のダンスの方が1000倍盛り上がるッスよ!!
だから締めの歌を替わりましょうよ!!
「倉津君、頑張りなよ!!さっきのお礼に目一杯盛り上げていくからさぁ!!」
「ホント、助かったよ!!僕もシッカリ応援するから、倉津君も頑張ってね!!」
「後輩さ~~~ん!!頑張ってぇ~~~!!椿も一杯一杯応援してるよぉ~~~!!」
だ~~か~~~ら~~~~。
無名のメンバーも、そうやってお礼をしてくれる気持ちがあるなら、この場のムチャブリを替わって下さいよぉ!!
……っと、まぁこんな風にだな。
皆様の有り難くもない、生暖かい『糞』声援に後押しされる形となりましてだな。
俺が泣く泣くステージに上がらなきゃ収拾が付かない、最悪な状況に負い込まれてしまった訳だ。
だから俺はこの『糞』生暖かい拍手に迎えられながら、ステージに上がる羽目に……(;´д`)トホホ
だがな……まぁ、敢えて言うなら、主催者である以上、此処までならなんとか許せる許容範囲だったんだが。
この後ステージに上がったら、千尋の電波障害が今まで以上に酷くなって、更にロクデモナイ事を言い出しやがったんだよ。
ほんとコイツだけは……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
なにやら倉津君にだけ不穏な空気が渦巻いていますね(笑)
まぁでも、こんな事はいつもの事なので、なんとか乗り越えて貰いましょう♪
冷てぇな、オイ!!( ゚Д゚) ('ω'*)そだね
さてさて、そんな中。
果たして千尋ちゃんは、この後、どの様なリクエストをしてくるのか?
矢張り、倉津君の言う『電波障害を起こしてリクエスト』をしてくるのか?
次回はその辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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