1151 どこまで行ってもピエロはピエロ(笑)
ヤクザの本質を素直ちゃんに話された事に対して、眞子に激昂して口論を繰り広げる倉津君。
だが、そんな彼とは裏腹に、ある言葉を確認した眞子は、突然、気の抜けた返事をして来たのだが……一体、何が起こっているのか?
***
「ちょ……オマエさん……まさか……」
「……なんだってさ、素直ちゃん。真琴ちゃんは、ヤクザの本質を知られても、素直ちゃんとは、まだ友達で居たいんだってさ。どうする?」
ぎゃ!!……ぎゃああぁぁぁ~~~~~!!
俺が、ある事に気が付いて『( ゚д゚)ハッ!』って成った瞬間。
急に気の抜けた様な喋り方を始めた眞子がポケットから携帯電話を取り出して、素直らしき人物と話しをし始めやがったんだが。
オイオイ、オマエさん……まさか、その行動をとるって事はよぉ。
まさかとは思うが、今しがた俺が、山中にやった事を丸々模倣してるんじゃねぇだろうな?
もしそうなら、マジ、最悪だよコイツ……
いやいや、待て待て。
現状じゃあ、これは俺の予想に過ぎないし。
その真相がまだハッキリしていない以上、取り敢えずは、2人の会話に耳を傾けてみるが先決だ。
ひょっとしたら、そうじゃない可能性もあるからな。
(↑眞子の罠に嵌められたとは思いたくない俺)
『……良かったぁ。真琴君は、僕の事を、そんなに大切な友達だと思ってくれてたんだ。本当に良かったぁ』
「うん、良かったね。あぁ、でも、素直ちゃん。今の話の中でも真琴ちゃんは『恋人には成れない』ってハッキリ言い切ったよ。本当に、それでも大丈夫?私、嘘は嫌いだから、嘘を付いたら素直ちゃんと言えども、絶対に許さないよ」
『あぁ、うん。……そこに関しては、今さっきまで一杯悩んでたんだけどね。僕には、向井さん程の覚悟は無いから。せめてこれからも、今まで通りの真琴君の友達で有り続けたいと思ってたの。だから、その提案で願ったり叶ったりだよ』
「そっか。……じゃあ、絶対に約束だよ。友達以上の関係は望まないってね」
『うん。今の僕も、そう有り続けたいと思えてる』
「そっか、そっか。じゃあ此処からは、2人で話し合う処だね。私が出来るのは此処までだしね」
『うん。……いつも、ありがとうね、眞子ちゃん』
「なんの、なんの」
あり?……
真相を確かめるべく、2人の話を盗み聞きしていたんだが、それだけにも拘らず、なんか俺抜きで話が完全に終結しちまったぞ?
なんじゃこりゃ?
しかも、この様子じゃあ、俺の予想通り、俺が眞子の罠に引っかかったのも間違いない事実のようなんだが。
「あの、眞子さん。すんませんけど……これは、一体、どういう事態ッスかね?」
「うん?あぁ、それは簡単な話だよ。例のヤクザの話を聞いた素直ちゃんがね。今さっき『それでも真琴ちゃんと、まだ友達で居たい』って相談して来たのよ。だから私はね。その前提条件として素直ちゃんに『本当に友達以上は求めないのか?』って尋ねたら、今同様に『奈緒ネェには敵わない』って言ったから、真琴ちゃんとの仲を取り持っただけ。……あぁ、序に言えば。そんな素直ちゃんに、真琴ちゃんの本音を伝えたかっただけって言う部分もあるね」
やっぱり俺は、眞子の罠に引っかかってたのね。
「うぅ~~わっ、最悪だよ、コイツ。これじゃあ俺……完全な道化師じゃねぇかよ」
「うん。人にやった事を気付かずに、丸々自分に同じ事を返されてりゃあ、それは完全に道化師だね。ピエロだねピエロ」
最低だ。
そして、あまりにも最悪な気分だ。
ホンで山中同様……今日は俺にとっては厄日としか言いようがねぇな。
マジで……そう言う精神的に来る様な行動をするのは勘弁してくれよな。
今ようやっと、山中の嵌められて口惜しかった気持ちが良く解った。
あの極悪を極めた『仲居間流』は、やられる側に取っちゃあ、これ程、最低最悪な流派はねぇな。
アイツの流派、早急に死滅すれば良いのに。
まぁまぁ、そうは言ってもだ。
仲井間流が最悪なのは、一生涯、俺の中でなにも変わらないとしてもだな。
『人の本音を引き出す上で、このやり方が非常に有効な手段なのは間違いない』のも事実。
こうやって素直本人を目の前にしていなければ、ついつい俺も本音が漏れてしまうだろうし。
特に眞子が相手なら、俺の本当の姉弟であるが故に、本気で気を許しまくってる相手だからこそ、言いたい事を口に出してしまう。
そう言った面を承知の上で眞子は、恐らくこの最悪な仲井間流を使って来たものだと思うし。
なにより、さっきの俺の部屋での件や、ヤクザの本質を話してまで素直の恋心を潰してしまった自責の念から、こう言った行動を起こしてくれたものだとも同時に考えられるので、此処ではあまり眞子を責めれたものでもない。
現実的な話をしたら。
完全に俺の要望通り……っとまで行かないにせよ。
『ヤクザの話をする前の素直に戻せ』って言う要望に近い状況を、この場で生み出してくれてる訳だしな。
これじゃあ、もうこれ以上、文句の言い様がねぇ……
だが、例えそうであっても、その眞子の罠に見事に嵌り。
この場で無駄に熱く語った俺としては……恥ずかしさのあまり、もう死んでしまいてぇ。
Ω\ζ°)チーン
***
……っで、この後も。
まだ最悪な事態が続くんだが、それは次回の講釈だ。
何故なら……今回も、俺のMP(メンタルポイント)が、もぉ0以下に成っちまったからだ。
恥ずかしい……マジでこの状況は最悪だ。
憶えてろよ眞子。
……どうせ俺じゃあ、なんも復讐出来ねぇけどな!!
コンチキショウめが!!
***
―――次回予告。
まだやるんッスか?
もぉいい加減勘弁してくれ。
俺のHPもMPも、もぉ既に完全に0よぉ~~~!!
……ってな訳なのに次回は。
『Help-me』
「助けてくれ」
……を、お送りしたくねぇけど、お送りするぜぇ。
つぅかよぉ。
こう言う精神的に来る、受験生虐めは辞めろつぅの!!
寧ろ、受験生である俺をネタにせず、もっと精神的にも労わりやがれ!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
これにて第一章・第六十八話『Some Happening(起こり得る幾つかの事象』はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?
まぁ倉津君にとっては、中々災難続きな状態ではあるのですが。
それでも、当初の目的であった「真菜ちゃんに知り合いを作る事」に関しては、チヒロンや飯綱ちゃんのお陰で上手く行ってるようですし。
長きに渡って問題視されてきた「素直ちゃんの片思い問題」に関しても、眞子や山中君の協力もあって、一番最高な着地点に到達出来たとは思いますので、なにも災難ばかりと言う訳ではなかったと思いますです(笑)
そぉ……色々と悩まされたり、それで酷い目に遭ってるとは言え、実は「この場で一番得をしてるのは倉津君」だったりするんですよ♪
っとは言え、こうやってピエロだけが良い想いをするのは良くない状況なので。
次回から始まる第一章・第六十九話【Help-me(助けてくれ)】では、忙しい中、時間を割いてまで此処に集まって来てくれたみんなに楽しんで貰う為にも、このピエロには更に活躍して貰おうと思っておりますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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