1149 知ってしまった最悪な事実

 山中君の説得をなんとか無事に終え安堵する倉津君。

だが、そう思っていられたのも束の間、次なる問題は、直ぐそこまで迫っていた!!


***


「真琴ちゃん、お疲れ様。どうやら山中君の件は上手く片付いたみたいだね」


そぉ……眞子。


そんな風に満面の笑顔で、俺に向かって話し掛けて来たコイツこそがその原因を持ち込んだ張本人だ。



「おぉ、まぁなぁ。つぅか、山中は単純だから、あぁ言う件に関してはあしらい易いんだよ」

「ふ~~~ん、そうなんだぁ。自分の恋愛関係だとダメダメなのに、真琴ちゃんって、人の事に成ると何気に凄いんだね」


うん、オマエなぁ。

可愛い顔をしてるんだから、そんな風に毒を吐くなな。


それと序に言って置くがな。

これ以上余計な事は、本当に、なにも言わなくて良いからな。


口閉じて、黙れな。



「やかましいわ!!ダメダメで悪かったなぁ。どうせ俺は、人の事をやってるクセに、まだ自分の事は、なに1つ覚束ねぇ様な有様だよ。大きなお世話だ、コンチキショウ!!」

「まぁまぁ、それは、去年からズッと続いてる事なんだから、今更、別に良いじゃない。今に始まった事じゃないんだし」

「オマエねぇ。俺だって、素直の件は、本当に深く反省してるんだぞ。だから、涼しい顔して、そう言う事を言うなよな」


だから、ヤメイつぅの。


いや……やみちくり。



「あぁごめん、ごめん。でもさぁ、実際の所はどうなの?素直ちゃんの件はキッパリ切れそうなの?」


そう言いながらも眞子は、少しステージから離れた場所への移動を促してくる。


恐らくは、話が話だけに、他の奴等に聞かせない様にする為の配慮なんだろうな。


そんな訳で、俺と眞子は話しをながら壁際まで行った。


……っと同時に、ステージ上では。

ホランド・電波(千尋)ペアから、美樹さん・デカイ餓鬼(エディ)ペアに入れ替わる。


まぁ……この色んな意味でのビッグカップルである2人が、どんな音楽が奏でるのか興味がある所なんだが、此処は眞子との話を優先させる。



「そうだなぁ。事実だけを言えば、まだ難しい所だよな。まぁ勿論、俺自身は、元々素直に手を出す気は毛頭ねぇんだが、素直が、どれだけ俺を割り切ってくれるかが勝負処だからな。今の段階じゃ、なんとも言えねぇな」

「だよね。……だったら、今回の件は正解だったね。素直ちゃんの、真琴ちゃんへの気持ちは、ほぼ消えたと思うよ」

「ほぉ。そりゃあ、またなんでだよ?」

「うん?そんなの決まってるじゃん。【ヤクザの本質を、私が、素直ちゃんに全部教えたから】だよ」


はぁ?


なっ……なに?なんだと?

今、オマエなんて言った?


まさかオマエ……素直を諦めさせる為に。



「ちょ!!ちょっと待ってくれ、眞子!!オマエ、まさか素直に、ヤクザの本質を包み隠さずに話しちっまったのか?」

「話したよ。包み隠さず、全部教えてあげたよ。だって、真琴ちゃんの決断を待ってたんじゃ、いつまで経っても埒が開きそうにないからね。強制的に素直ちゃんの恋心を消滅させて貰った」

「オイ、眞子!!なに勝手な事をしてくれてるんだよ!!ふざけんなよ、オマエ!!」


信じられねぇ。


コイツ……なんて馬鹿な真似をしてくれやがったんだ。


考え無しに、あんな事を素直に教えたら。

恋心処か、素直との友人関係すら危うくなるって言う危険性を孕んでるって言うのによぉ。


そんなの無茶苦茶じゃねぇか!!


それに……バックで流れてる曲。

さっきの山中の時と違って、なんか感情が剥き出しに成って行く感じだな。



「ふざけてなんかないよ。……ねぇ、真琴ちゃん。真琴ちゃんはさぁ。素直ちゃんに幸せに成って欲しいんだよね?それに、奈緒ネェとの大切な関係にヒビなんか入れたくないんだよね?」

「オイ!!俺は今、そんな話はしてねぇだろ!!なんで、そんな勝手な真似をしてくれたんだって聞いてんだよ!!」

「そんなの決まってるじゃん。奈緒ネェと、真琴ちゃんの大切な恋愛を、素直ちゃんに邪魔されたくないからだよ。だから、また今日みたいな変に勘違いした行動を素直ちゃんが取らない為にも釘を刺しただけの事。……イケなかった?」

「そんなもん良い訳ねぇだろ!!そんな事しちまったら、恋愛処か、友人関係まで終わっちまうわ!!」


……ヤバイな。


これはマジでヤバイ事に成っちまった!!

このままコイツのペースで事を起されたら、素直との関係が、なにもかもが終わっちまうぞ!!


……それにしても、この馬鹿。

加害者のクセに、なに飄々とした態度を取ってやがるんだよ!!


ムカツクなぁ!!



「別に良いんじゃない。そんなものぐらいで簡単に壊れる様な関係なら、最初から縁が無かっただけなんだよ。……大体さぁ、真琴ちゃん。奈緒ネェと、素直ちゃん、ドッチが大事なの?この話で一番重要なのは、そこだよ」

「そんなもん、オマエに言われるまでも無く、奈緒さんに決まってるだろ。けどなぁ、素直だって、俺にとっちゃあ掛け替えのない友人なんだぞ。……それをオマエは……自分勝手に土足で踏み躙りやがって、全部ぶち壊しにしちまいやがった。どうしてくれんだよ?この責任、どう償うつもりなんだよ?」

「責任?じゃあ逆に聞くけど、真琴ちゃんは、素直ちゃんと、今まで同様の関係を続けて、どう責任を取ってあげる気だったの?……無責任なのはドッチ?」


糞ッタレ!!モノは言い様だな。


けど、そんなもんなぁ、今の俺には、なんの効力もねぇ言葉だ。

今のオマエの言葉なんぞ、ただオマエの自分勝手な言い分を、無理矢理、俺に押し付けて来てるに過ぎないんだからな。


生まれてたった1年しか経ってないオマエが、俺の交友関係に、変に干渉してんじゃねぇぞボケ!!



「関係有るかよ。オマエが、どう思って、そんな事を仕出かしてくれたのかは知らねぇけどな。俺と、アイツは友人関係なんだよ。そこを、オマエにトヤカク言われる筋合いはねぇよ」

「あっそ。じゃあ私も、素直ちゃんと友達だから、ヤクザの話を、素直ちゃんに話しても、真琴ちゃんにトヤカク言われる筋合いは無いって事だよね?……これって、素直ちゃんの事を想えばこそ出来る行動だもんね。……違う?」


そりゃあ確かにな。

オマエの仕出かした行為は、世間一般じゃ正しいのかも知れねぇなぁ。


お偉いこったな。


……けどよぉ。

俺にだって、素直と友人で居る権利は有る筈だ。


そこを土足で踏み躙っておいて。

よくもまぁ、さも当たり前の様な顔をして、そんな事が言えたもんだな。


この頭のおかしい女め!!

テメェなんざ、俺の体の中で、綺麗サッパリ消えちまえば良かったんだよ!!


こんな自分勝手な奴、生まれてこなきゃ良かったのによぉ。


本当にムカ付きが止まらねぇな!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


そぉ……眞子の持ち込んできた問題と言うのは、あの風呂場であって一件の話。

当然、あの場には居なかった倉津君にとっては衝撃の事実だったに違いありません。


本編でも本人も言ってますように、普通に考えたら【あの話を聞いて尚、ヤクザと関わろうと思う人なんてそんなにいない】訳ですからね。


さてさて、そんな風に口論が続く中。

怒りが収まらない倉津君は、一体、この後、どの様な行動をとるのか?


そして、この場で話した眞子の思惑とは?


次回は、そこを書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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