1144 うむ……アイツはやっぱりアホだ

 大人数でカラオケをするにあたっての場所の確保は、崇秀が個人で所有するスタジオを借りる事で解決。

なので、それをみんなに伝えて、その場所に移動する事に成ったのだが……


***


 ……そんな和気藹々としたマブダチ(うえぇ~)との交渉を終えた後。

再び大部屋に戻ろうと思ったら、奈緒さんと、眞子が、漸く何処かから帰って来た。

しかも、服装はなにも変わってないのに、なんか2人揃って妙に小奇麗になってる。


まぁ……眞子は、素直の件があったから、なぁ~~んとなくなら今のアイツの状況も解らなくもねぇが。

なんで奈緒さんまで綺麗に成って帰って来てるんッスかね?


それって……明らかに風呂に入ってましたよね。


此処は深くは追求しませんけど。


まぁ、そんな訳でござんして。

あっしは、一旦、廊下を此方に向かって歩いて来る2人をそのままに、大部屋に戻り。

その後は千尋に伝言係を頼み。

此処に居る全員を、崇秀のスタジオに案内した。


あぁ……因みにだがな。

崇秀の家に行く途中で、道行く人にモミクチャにされたのは言うまでも無い。


そりゃまぁ、これだけの有名人を引き連れて街中を歩いていりゃあ、こうなるのも解っていたので俺は、例え短い距離であってもタクシー使おうって散々言ったのに、奈緒さんが『勿体無い』の一点張りをして、俺の話を聞かねぇんだもんよぉ。


『稼いでるのに貧乏性か!!』っと言いたい所なんだが、恐らくこれは、いつもの奈緒さんの悪乗りですな。

(↑多分、後者が正解だと思ってる俺)


***


 ……でまぁ、そんな風に道中色々有りながらも。

なんとか奴のスタジオとやらに到着して、此処のスタジオの鍵を持っていたモジャが扉を開けてくれる。


んで、スタジオの中に入った瞬間の感想なんだが。


これはもぉ、いつも通りの反応に成って悪いんだがな。

アイツ……マジで頭のネジが吹き飛んでる馬鹿なんじゃねぇのか?


なんで個人所有のスタジオの筈なのに、これだけの機材や、装備を揃える必要性があるんだよ?

ステージに、照明に、映像を流すモニター、それに音を合わせる為に設置されてる専門的な音響設備の数々だと……


どんだけ凝り性なんだよ、オマエは?


付け加えて、ステージに設置されてるドラムや、キーボードの高そうな事。

序に言えば、壁に掛けられてるギターや、ベース等の弦楽器の山。


アイツだけは、マジでアホなんじゃねぇのか?

つぅか、これは既に、個人で扱ってるスタジオと言うより、完全にライブハウスじゃねぇかよ!!

大体、なぁ~~んで個人所有のスタジオに、沢山の酒が並んだ小洒落たバーカウンターまで有るんだよ?

なぁ~~~んでスタジオに、小さいながらも本格的なキッチンが要るんだよ?


もぉ、マジでアホだアイツだけは!!

いや……完全に救い様の無いアホとしか言い様がねぇな。


こんなもんバッカリ直ぐに作るアイツ……早く天からのお迎えが、アイツの元に訪れれば良いのにな。


死ねボケ!!生粋のクレージー野郎!!


マジでやってらんねぇ……


っとまぁ、崇秀に借りたスタジオに対して、俺の嫉妬を含めながらも多大な文句を言ってる訳なんだが。

逆に言えば、これ程までに設備が充実したライブハウスは滅多にお目に掛かれない代物。

それに、この面子なら、これ位の設備が有るぐらいの方が、寧ろ、なにも問題が無いのかも知れねぇ。


だったら、これも悪くないのかねぇ?


なんか、そんな風に自分の感覚が麻痺させられてる様な気がしないでもないんだけどな。


そんな風に思いながらも、呑気にスタジオの中を眺めて居たら。

その間にモジャが、サッサと機材を動かし始めて、アッと言う間にカラオケをする準備は完了していた。


流石モジャ、機械系は、矢鱈滅多ら強いな。

どんな機材を扱うにしても、なにかと手馴れたもんだ。


ほんでまぁ、ここまで準備が整ってしまった以上、もぉ後には引けねぇ。

此処で、ほぼGUILDの稼ぎ頭が集まったカラオケ大会を開催する訳なんだが……


まず最初に決めなきゃイケねぇ事が、カラオケを唄う順番だ。


まぁ本来なら、誰から唄っても、特にはなんの問題も無いし、歌いたい奴が唄えばいいんだが。

不思議な事に、何故か全員が全員一番最初に唄うのだけは妙に嫌がる。


けど、そんな些細な事でモタ付いてたんじゃ時間が勿体無いだけなので、まずは近くに居た者同士がペアを組んで『ジャンケン』

そこで更に負けた者同士だけがジャンケンをして、最後の最後まで負けた奴が、一番最初の歌い手と成る事に決まった。


……っで、その結果なんだが。

なんと一番最初の歌い手に成ってしまったのは、俺の妹である、素人の『真菜』に決定してしまった。


これは、真菜が異常なまでにジャンケンが弱いっと言う事をスッカリ忘れてた俺の完全なるミスではあるんだが。

しかしまぁ、この恐ろしい様な面子の前で、一番最初に歌を唄わされるなんて、まさに生き地獄だろうな。


……けどな。

如何に俺が真菜を溺愛してるとは言え、此処でコイツを下手に庇う訳にもイカネェんだよなぁ。


みんなが公平な立場でやったジャンケンだし、なんと言ってもルールは、ルールだからな。


まぁ、そんな訳でだ。

ほぼプロしか居ない様な状況の中、真菜の唄で恐怖のカラオケ大会がスタートする事に相成った。


アイツ、大丈夫なんかな?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


崇秀に借りたスタジオは、スタジオと言うより、設備が充実したライブハウスでしたね(笑)


まぁそうは言っても、冷静に考えれば。

一回にある馬鹿デカイ美容室の敷地面積を考えれば、これぐらい設備の整ったライブハウスに成っても別におかしくはないんですがね(笑)


倉津君は、どうやらそこには気付かずに此処まで来てしまったみたいです。


ですがまぁ、なにをするにしても設備が整ってる方が問題が起きないので、これは良しとするにしても。

問題は、じゃんけんに負けて、その場で一番最初に歌う事に成ってしまった真菜ちゃん。


倉津君の言う通り、彼女は大丈夫なんですかね?


……ってな訳なんで。

次回は、その様子を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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