1143 どっか場所ねぇか?
みんなを持て成す為のアイディア「カラオケ」
ただ、どうしても人数的に場所の確保が難しい為、嫌々ながらも崇秀に頼んでみる事にした倉津君なのだが……その答えは?
***
「あのなぁ、倉津」
「おぅ」
「んなもん、早々に有るかボケ。大半のライブハウスってのは、先持って予定を組んでるもんだぞ。そんな早急な話に対応してくれるかよ」
怒られた!!
「いやまぁ、そうなんだけどよぉ。今居る面子を相手側にも伝えたらなら『どっかのライブハウスが空けてくんねぇかな?』とか思ってよ。そこ等辺に居るバンドなんかより、ズッと稀少価値が有ると思うんだがな」
これは所謂、売名行為ですな。
そして、うちのメンツの名前にビビッて、今日出演のバンドが、借りる箱を譲ってくんねぇかなぁ?って感じで。
まぁ勿論、タダでライブハウスを明け渡せとは口が裂けても言わねぇ。
コチラとしては、ちゃんと自腹で賠償する予定もしてますぜ。
「ふぅ……毎度毎度の事だが、面倒臭ぇ事ばっか言って来やがんな、オマエだけは。……っで、それが仮に上手く行ったとして、賠償金は、幾らぐらい用意出来んだ?」
「まぁ、相手方には無理を言う訳だし、人の楽しみを奪う訳だからな。それ相応の金額なら、即金で用意すっけど」
「そっかよ。そりゃあまぁ殊勝な心掛けだな。……っで、どれぐらいの規模の箱で、そこでなにをするつもりなんだ?」
「やる事は生演奏のカラオケ。んで規模は100人ぐらい入れる箱なら、別に何所でも良いぞ」
また怒るか?
あまりの馬鹿げた話を聞いて、流石に怒るか?
「100人ぐらいの箱で良い訳な。OKだ。なら、俺のスタジオを貸してやる。そこで良いなら、勝手に使え」
あぁ……此処は怒らねぇのな。
けど、崇秀よぉ。
なんッスかね、そのプライベートスタジオってのは?
オマエ……いつの間に、そんなもんを作ったんだよ?
どんな金持ちなんだよ、オマエは?
「あぁ、いや、非常に有り難い提案ではあるんだけどよぉ。オマエさぁ……」
「なんだよ?」
「どっから、そんなもんを作る金が湧いて来た訳?密かに金の成る木でも育ててやがるのか?」
「あぁ、金の成る木なら、世界中の至る所で育ててるな。なんもしなくても、数十億程度なら毎月入って来るぞ」
「印税か?」
「あぁ、印税+αだな」
印税+αでしたか。
そりゃあ、幾らでも金を生んでくれる強い味方だな。
コン畜生!!ガッデム!!
ドンだけ売れてるんだよ、オマエの楽曲わ!!
……真面目に話すのも、嫌に成ってきた。
「あぁ、左様でございますか。金持ちはよござんすね」
「おいボンクラ。なんで拗ねてんだ、オマエわ?条件もなしに、気持ち良く貸してやるって言ってんだから、文句言うな」
あのなぁ馬鹿秀。
俺みたいな凡人ってのはな。
いつの時代も、オマエみたいな天才の才能を見て『僻んで』『妬んで』『羨んで』文句を言う生き物なんだよ。
だからオマエは、そう言った文句を言われるのも仕事の内……所謂1つの運命って奴だ。
そんな訳なんで、文句を言われる事は諦めろ、この真糞天才野郎!!
そして俺を哀れに思うなら、なんか俺に見合った才能を、お裾分けをしろ。
プリーズ、プリーズ。
……俺にも才能を、なんかくれ。
「へぇへぇ、すんませんねぇ、旦那ぁ~~。あっしは小市民でやすから、旦那みたいな才能を持つ人間には、妬みちゅうもんを感じちまうんッスよ。ホント、すいやせんねぇ」
「アホかオマエは?そんだけの才能を持って生まれてきてて、なにが俺の才能だよ?マジで馬鹿なのかオマエわ?脳味噌蒸発してるんじゃねぇのか?」
「俺に才能だと?それって、あまりにも使えない才能だから『不発の核弾頭』的な、なんかか?……もしそうなら、んなもん、ただデカイだけで邪魔なだけの筒じゃん」
「オマエだけは……一回、天に召されて来い」
「なんでだよ???」
「んで、オマエに才能を詰め込んだ神様とやらに泣かされて、気分が悪くなるぐらいまで、思いっ切り説教されて来い、このボケナス」
死んで尚、あの世で神様とやらに、俺は説教されんのか?
そりゃあ途轍もなく嫌な感じだな。
それに、ヤッパ怒られてる時は正座か?
昔、静流さんに怒られてる時に、よく道端でやらされた、あんな無様な感じか?
あの道行く人にクスクス笑われる感じだったら……余計に嫌過ぎんな。
「断る。第一、俺の中での神は遠の昔に死んで居ない。寧ろ、神なぞ、最初から居ない」
「あっそ。じゃあ、神様を否定する位なんだから、アリスの件も神頼みせずに頑張ってな。……じゃあな」
ブッ!!ちょっと待て!!
なんで、あの現場に居なかったオマエが、その話を知っとんねん!!
有り得ねぇ。
エスパー戦隊ナカイマンは、本当に健在だな。
・・・・・・
いや……違うな。
犯人は眞子だな。
今回の情報漏洩の元は、奴しかイネェ。
「ちょっと待てぇ~~~い!!素直の件は、自分で撒いた種だから、自分でなんとかすっけどよぉ。オマエの言うスタジオの場所って、何所にあんだよ?せめて、それだけは言ってから電話を切れつぅの!!」
「ほぉ、アリスの件は、自分で解決すると抜かしたか。面白ぇな。こりゃあ見物だ。……あぁ、因みにだがな。スタジオの場所なら一葉が知ってる。つぅか、俺の家の地下だ」
あぁそうなんか?
ほんじゃあオマエには、もぉ用が無くなったから電話切るな。
電話賃もタダじゃねぇから、オマエなんかと長々と無駄話をする気は無いからな。
サラバじゃ。
「あっそ。んじゃあ、もぉオマエに用は無い。アバヨ」
「なんて奴だ。テメェの用件だけ人に押し付けやがって……柳沢信吾かオマエは?」
うっせぇわ!!
それに俺は、柳沢信吾じゃありませ~~ん。
倉津真琴ですぅ~~。
『ブツッ!!』
ウザイから、マジで切ってやった。
人に頼み事をしたクセに……卑しくも、横柄な俺。
勿論、相手が崇秀だから反省はしないし、する必要も無い。
死ね!!ボケ!!才能を詰め込んだ嫌味袋野郎!!
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
相変わらず、仲が良いですね(笑)
なんだかんだ言ってても崇秀は、必ずと言って良い程、倉津君の要望には応えてくれてますからね。
特に今回の案件は倉津君が考えてきた草案。
そう言った成長を加味した上で『本来なら有償のスタジオを、倉津君い負担が掛からない様に無料で貸してくれた』訳ですしね♪
さてさて、そんな中、これでなんとか場所の確保は出来ましたが。
これでもまだ、残された問題がない訳ではありませんので。
次回は、その問題点について書いていきたいと思います。
そんな感じなんで、良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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