1142 (´Д`)ハァ…今はそれしかねぇわな

 飯綱ちゃんが倉津君に出した課題『此処に居る全員を持て成す事』

その答えとして出たものは「カラオケ」だったのだが、40人も一斉に動くとなると。

流石に、そんな大人数が入れる様な大型カラオケボックスなんかなく……


***


「あぁ、いや、そうは言ってもな。それが全く不可能って訳じゃねぇんだけどな。現に1つだけなら方法が無くもねぇ訳だし」

「なんぞあるんか?」

「あっ……その言い方をするならヒデだ。絶対に間違いない」


残念ながら……千尋の意見で正解ですな。

あの馬鹿に頼れば、この無茶な要求ですら簡単に実現出来なくも無い。


……そんな気がしてならねぇ。


でもよぉ。

俺の心境としては、あんまアイツには物を頼みたくねぇのも心情なんだよな。


後々100%の確率で面倒臭い事に成りそうだからな。



「あぁ、そう言う事か。あのアホやったら楽器をようさん持っとるし、立場上、場所の確保も出来ん事もないもんなぁ。……ただなぁ。秀に物頼んだら、後で、なにを頼まれるか解ったもんやないんからなぁ。確かに、世界で一番、物を頼みたくない相手でもあるわな」


またしても正解です。

それこそ丸々正解です。

俺も、そう言う事情があるだけに、こういった案件ではアイツとは下手に関わりたくねぇんだよな。


けど、そう思う反面、こんなウルトラCな技は、アイツにしか駆使出来ねぇ真似でもあるんだよなぁ。


だったら……しゃあねぇか。



「まぁ、そういうこったな。……けどまぁ、みんなが、折角こうやって集まってくれてんだから、そうも言ってらんねぇ。だから今回は俺が責任を取って、アイツに頼んでみるわ」

「えっ?えぇ~~~っ、どうしたの真琴?アンタが自己犠牲なんて、熱でもあるんじゃないの?自分で言ってる意味解ってるの?」


電波、オマエなぁ……


オィちゃんだってなぁ。

偶には、見返りも無しに、人の事を気遣ったりする事だってあるんだよ!!


ホンマ失礼なやっちゃなぁ!!


……まぁそれ以前に、この面子で生演奏のカラオケやってみたいしよぉ。

贅沢且つ、面白そうじゃんか。


それになにより、全員が、ある程度満足してくれそうな意見だし、それだけでも崇秀に頼む価値は有るんじゃねぇの?



「やかましいわ!!俺だってなぁ。偶には、人の役に立ちたいの。それによぉ。折角、集まったのに、これで終わりじゃあ、あまりにも消化不良だろうに」

「あら、真琴のクセに、やけに殊勝な事を言うんだね」

「イチイチ一言多いわ。……つぅか、取り敢えずは一回、崇秀の馬鹿に電話して来っから、そこで四の五の言わずに待ってろ。それと千尋。オマエ、俺が崇秀から聞いた結果の伝言係な」

「えぇ……なんで私が……」

「文句言うな」

「まぁ良いか、面白そうだし」


……この欲豚め。

己の欲を満たす為だったら、何所までも欲に従順な女だな。


けど、それはそうとよぉ。

仮に上手く話が纏まったとしても、素直は来てくれるんだろうか?


どうなんだろうな?


***


 答えが見付からない事を長々と考えていても仕方が無い。

そんな訳なんで俺は、素直の事を、またしても奈緒さんに任せたままにして廊下に出た。


そこで早速、崇秀に電話を掛けてみる。



『プルルルルル……ガチャ!!』


おぉ……相変わらずワンコールで出やがったな。


まぁワンコールで取るのって、本当はマナー違反な部分がない訳でもないんだが。

今の俺の取って、その素早い対応は実に素晴らしいぞ。



「あいよぉ。今、忙しいから切るな。じゃあな」


『ブツッ!!』


うん……本当に素早い対応で切られたな。


オイオイオイオイ……オイコラ!!なんじゃそりゃあ?

そんなに忙しいって言うなら、最初から、そんな素早い対応すんなよな!!


せめて、電話に出る気配も無いぐらい無視しろつぅの!!


気分悪ッ!!

……っとまぁ、普段なら、此処でムカついて怒る所だが、今日は頼み事をする卑しい身分だから、敢えて我慢してやる。


ありがたく思え。



『プルルルルル……ガチャ!!』


……だ~か~~ら~~~!!一回で出るんなら、話を聞けやボケ!!



「んだよ?なんか用件が有るなら、さっさと言え。……つぅか、どうせ、みんなが退屈しだしたから、なんとかしろって程度の話だろ」


『なんで解った?』なんて聞いた所で。

どうせ、このアホの回答は『時間帯』と『タイミング』って言ってくるのがオチだろうから、敢えてはそこを聞かねぇぞ。


それにだなぁ。

今回は『オマエさんの案』を求めて電話をした訳じゃなく『場所』と『機材の確保』がメインだからな。


故に、これは頼み事ではなく、ちょっとしたオマエさんへの相談だ。



「いやまぁ、恒例の『なんとかしてくれ』って言うのは強ち間違ってねぇんだけどよ。今回は『オマエの案』はイラネェ。どっか『空いてるライブハウス知らねぇか?』ってだけの相談だ」

「ほぉ、オマエにしては珍しいな。今回は、自分の考えた案で場所探しか」

「おぅ、そういうこった」

「……けどオマエさぁ。常識的に考えても、今頃の時間に成ってから日曜日にライブハウスの空き状況を聞くって、どぉよ?しかも、その言い分だと、どうせ面子が集まってるから、今直ぐにでも使いたいとかも言い出すんだろ」


ですな。



「あぁ、悪ぃけどよぉ。まさにその通りなんだわ。……だからドッカねぇか?」


ってか、オマエなら、そんな厳しい条件でもなんとかなるだろ?


だから、早急になんとかしてくれ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


結局は崇秀頼りに成っちゃいましたね(笑)


まぁでも、自分で案を出す様に成っただけでも、ある意味成長はしてると思いますので。

あとはもう少し計画性さえ持てれば、今よりももっと良い感じに成長出来るとも思いますです。


さてさて、そんな中。

倉津君は、崇秀になら『それが出来るだろう』と言う事を前提に話を進めてますが。

果たして、それは正しい認識なのか?


次回は、そこ等辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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