1133 快感残留
偶然、会話の中で上がった『首輪』の話題。
それを眞子は「ちょっとありかも」なんて思い。
半分ネタで奈緒さんにそれを話したら……何故か全否定された上に、それは崇秀が求める「対等ではないんじゃないか」っと言われ。
***
「でも、奈緒ネェ。それってさぁ、Hの時は関係なくない?あれって、お互いの愛情確認をしてる訳じゃないですか。だったら、その時ぐらい、別に対等じゃなくても良いんじゃないかなぁ?全部が全部対等なんて疲れるよ」
「あぁ、まぁ、一般的には、そうなんだろうけどね。……仲居間さんの場合は、そう言う考えだと、ちょっと問題が有るんだよね」
「問題ですか?ヤッパリ、そこでも対等じゃなきゃいけないって事ですか?」
「うぅん。そうじゃなくてね。そんな余計な事を考えなくても、あの人と肉体関係を持ったら、普通の思考でも対等をキープするのは難しいって話」
へっ?なんですかそれ?どういう事ですか?
なんか急に話の方向が変わって、着いて行けてないね。
「それって……」
「そぉ。あの人とのHは、なにもかもが普通じゃないから『快感が残留』するのよ」
「快感残留ですか?なんですかそれ?」
「うん……ほら、例えばね。眞子も憶えてるとは思うんだけど。私、アメリカで、仲居間さんと1度だけ肉体関係を持った事があるじゃない」
「あぁ、はい。その節は、多大なご迷惑をお掛けしました」
「あぁ、そこは良いのよ。別に今更、そこを責めてるつもりじゃないから。これはそう言う話じゃないの」
「そうなんですか?」
じゃあ、なんだろうね?
「うん。これは、私と、仲居間さんがHしたのが問題じゃなくて。寧ろ、問題なのは、あの人が、異常にSEXが上手い事なのよ」
「えっ?SEXが上手いと、なにか問題なんですか?」
「うん。今の君にとっては、凄く重大な問題だよ」
なんでですかね?
Hが上手くて、お互い気持ちが良いなら、なにも問題は無いと思うんですけどね。
「どうしてですか?」
「それはね。さっきも言ったけど。どんなに自分で抑制しても、仲居間さんの事が忘れられない位、快感が残るからよ」
「えっ?……あぁ、それがさっき、奈緒ネェが言ってた『快感残留』の話ですか?」
けど、そんな馬鹿な事って有るの?
百戦錬磨の奈緒ネェが、未だに崇秀とのSEXが忘れられないって事なんて有り得る?
なんかイマイチ信憑性に欠ける話だなぁ。
どちらかと言えば、私を納得させる為に話してる様な気がするんですけど。
「そうだよ。今でこそ私の元にクラが戻って来てくれたから、なんとかクラだけに気持ちが集中出来る様にはなったけど。あの子が帰って来るまでの期間は、何度、仲居間さんの事を本気で自分のモノにしようとした事か数え切れないからね」
「えっ?……嘘でしょ奈緒ネェ。それ、本当なの?」
「これが困った事に本当なのよ。クラの事は、勿論、本気の本気で大好きだから他所見する気なんて毛頭ないんだけどね。当時は、そのクラが居なかっただけに、肉体関係だけでも仲居間さんと持てないかなぁって悩んでた時期があるからね。……だからほら、仲居間さんと、私がHした、あの時。私『眞子の事なんか、どうでも良い』って口走ったでしょ。実はあれ、結構、本音だったんだよね」
えぇ~~~っ、そうなんですか?
それは、なんかちょっとショックです。
あぁ、でも、それを私が責めるのはおかしいよね。
あの時は、私の責任で、あんな酷い事態に陥ったんだから文句を言えた義理じゃない。
それになにより、女の奈緒ネェの気持ちからしたら。
真琴ちゃんの件を全てを割り切る為にも、崇秀を求めても、なにもおかしくはないもんね。
「そうだったんですね」
「ごめんね、眞子」
「あぁ、あぁ、そんなの女の子だったら当たり前ですよ。あの時は、私から別れ話を切り出したんですから。奈緒ネェは、なに1つ悪くないんですよ。寧ろ、悪いのは、一方的に私の方ですから」
「……ありがとう、眞子。そう言って貰えると、少し気が楽になったよ」
「あぁ、いや、この話自体、奈緒ネェが気に病む様な話じゃないんですよ。奈緒ネェは、本当に、なにも悪くないんですよ。……けど、奈緒ネェ。崇秀のHって、そんなに残留するものなの?」
こう言っちゃうと、説得力なんてものが皆無に聞こえるかも知れないけどね。
今は興味本位だけで、この話を奈緒ネェに聞いている訳じゃないんだよ。
どう考えても、奈緒ネェ程の人を唸らせるって言うのは、普通のSEXのレベルじゃないからね。
後学の為にも聞いて置きたい。
それに何より、その強烈な依存性の謎。
現に奈緒ネェは、今まで一度たりともSEXをしてる時、私に主導権を与えた事が無い位、自己抑制力が強い。
そんな彼女が、此処まで嵌るなんて……
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
実は奈緒さんが眞子を諫めてた理由は、此処にあったんですね。
彼女ほど経験豊富な女性であっても尚、嵌りそうになってしまう崇秀との行為。
そんな危険なものを、今の眞子の様な遊び半分な感覚で体験してしまったら、それはもぉ間違いなく豪い事に成ってしまいますからね。
ただまぁ、そうは言っても。
それは、この話が真実であった時の話。
果たして奈緒さんは、本当の事を言っているのか?
それとも眞子を諫める為だけに、作り話をしているのか?
次回は、その真相を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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