1110 年上年下論争

 奈緒さんと美樹さんが理想の彼氏の話をしている内に、奈緒さんが「エディが理想の彼氏であるならば、年下のクラに注意される事はない」っと言い放ち。

更に話が、年上、年下論争に発展していき……


***


「年上でも人間なんだから、注意される事ぐらいありますぅ~~~」

「そぉ?私、仲居間さんが注意されてる所なんて一度も見た事ないけど」


あっ、奈緒さんが、年齢の問題で一番対象外になる奴の名前を出した。


此処で、魔王である崇秀の名前を出すとは中々卑怯な手口ですな。


まぁでも、あれですよ。

そうは言ってもアイツ、あれでいて、何度か人から注意を受けた事ありますよ。


事実、過去には山中のアホにも説教された事ありましたしね。

だから魔王と言えども、所詮は人の子。

なにかの拍子に過ちを犯して、注意される事だってあるんですよ。



「あっ、あの人は、人間じゃありませ~~ん。年上年下以前の問題として人外ですぅ~~~」

「あぁ、確かに、それはそうね。仲居間さんは人じゃないね」

「でしょ。だから仲居間さんだけは、年上年下以前に、人類から対象外。明らかに比べる相手を間違ってるって」


……っとまぁ、そんな怒られてる事実を知らなきゃ、そう言う結果には成っちまうわな。


けど、なんかよぉ。

アイツ、此処に居ねぇって言うのに、酷く哀れな言われ方だな。

事実を知らない人間だと、オマエの認識って、悲しい位に人扱いされてねぇんだな。


これは流石に、魔王と言えども、ちょっとだけ同情するなぁ。



「そっか。だったら私も、美樹同様、クラを甘やかし過ぎてるのかなぁ?」

「いや、そうじゃないでしょ。それについては、あの人が、おかしいだけだから」


いや、あの……そんなに言わんでやって下さい。

確かにアイツは余計な事バッカリするッスけど、あれで居て、結構、良い奴なんッスよ。


そんなに悪い奴でもないッスよ。



「そんなに言う程、仲居間さんは、おかしいかい?僕は、そんなに、おかしいとは思わないけどなぁ」


おっ?

此処で意外な事に、デカイあんちゃんが、今の奈緒さんや美樹さんの意見に、なにか思う所があるのかして崇秀のフォローをするみたいだな。


あの魔王を、どうフォローするつもりなんだ?



「うん?どうして?」

「いや、仲居間さんは、なんに対しても真面目なだけだから、注意される事が無いだけなんじゃないのかい?僕は、そう言う認識だけどなぁ」

「いや、エド。確かに仲居間さんって真面目は真面目なんだけどさぁ。あの年齢で、あの貫禄と風格はおかしいでしょ」

「そうかい?彼は、僕よりも年下の人間だけど、僕は尊敬出来る人間だと思うけどね。ある意味、男なら、あぁ在りたいと思う理想系だとも思うしね」


いやいやいやいや。

悪い奴では無いけど、アイツは決して、人の理想ではない筈だぞ。


だってよぉ、俺は、アイツみたいな、あぁ【他人の事ばかり考える様な疲れる人生』は、絶対にお断りだからな。


あぁけど逆に言えば、それだけに人としての理想に成り得るのかも知れねぇか。

人に出来ない事や、面倒臭いと思う様な事を率先してやる人間だからこそ、他人からは理想だと思われる訳だしな。



「へぇ~~~、じゃあエドって、仲居間さんが目標なの?」

「あぁいや、理想だとは思うけど、決して目標ではないね。僕は、元々あぁ言う風に突き詰めるタイプの人間じゃないからね。僕個人としては、面白おかしく生きてられれば、それでOKな感じだから、そこまでの拘りはないかなぁ」


おぉ……って事はなんですかい?

崇秀を理想だと思う部分はあるにせよ。

このデカイあんちゃんは、俺と一緒で刹那的な快楽主義者って事なんだな。


まさに、その時だけでも楽しければ全てOK的みたいな感じの生き様が、言葉から滲み出てやがる。


なら、デカイあんちゃん……アンタ、かなりのダメ人間だな。


まぁ俺個人としては、そう言う生き方をする奴が好きだけどな。

なんにしても人生楽しくなくちゃ、生きてる意味なんてもんがねぇしな。



「あぁ、そうなんだ。エドって、結構、お気楽系の人生なんだね」

「まぁね。まぁまぁ、そんな僕の生き方の事なんかよりさぁ。奈緒。そろそろ、そこに居る彼の演奏について教えてよ。実はズッと気になってるんだけど」

「あぁ、そうね。完全にクラの話から逸れちゃってたね」

「クカカカカ……それなら、俺ちゃんが、そのあんちゃんの詳しく情報を教えてやるよ」

「おぉ、デク」


おぉ……なんか知らんが、此処に来て、また変なのが現れたぞ。


確か、この変なツンツン頭の奇妙な男は【奈緒グリ】のドラムを担当している、ディック=カーティスとか言う奴の筈だよな。


しかしまぁ『自分の事を、俺ちゃん』って言う喋り方からして、なんとも危険な臭いしかしない男だな。

これはまた、なんかこの男が一波乱を巻き起こしてしまいそうな気がしないでもない雰囲気だ。


……って!!ちょっと待てぇ~~~い!!

このツンツン頭の変な奴が俺の説明をするみたいな流れに成ってるなら、此処で余計な波乱とかいらねぇじゃねぇかよ!!


コイツが、また余計な事を言ったら、此処で絶対に揉め事になりそうだから辞めろぉ!!


嫌な予感しかしねぇから、オマエは喋んな!!


……っと、そんな今更、そんなことが言える雰囲気じゃないな。


ダメだこりゃあ(;´д`)トホホ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


年上、年下論争については、崇秀がオチに成って終結したみたいなのですが。

矢張り、年上の方が長年生きてるだけに、年下に注意されるのは、あまり好ましい事ではないですね。


ただ、そうは言いましても、エディさんが言った様に『年下でも尊敬出来る人間はいる』訳ですから、実はこのエディさんの考え方は、非常に柔軟な考え方だと思いますです。


相手の年齢に問わず『学べる所は学ぶっと言う姿勢』は、人の成長に置いても大事な事ですし♪


さてさて、そんな中。

此処で、あのディックさんが話に乱入してきて、倉津君は彼の見た目や言動から、なにやら嫌な予感がしてるみたいなのですが。


その予想は見事に的中してしまうのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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