1109 彼氏としての役割

 奈緒さんと美樹さんが少々口論気味に成り。

奈緒さんが『例の下着(美樹さんが着用した穴あきパンツ)』をネタにして嫌がらせを開始。

当然、それを本気で美樹さんが嫌がり始めたので、その姿を見た倉津君は少しフォローを入れようと……


***


「あぁ、いや、良いんじゃないッスかね。特に美樹さんだったら、結構、良い感じに似合うと思うんッスけどね。だから別に、そこまで変じゃないと思うッスよ」

「あっ、兄貴君~~~」


あぁ、いやいや、今、美樹さんをフォローしたとは言え、そんな愛眼する様な目で見られても困るッスよ。

最終的な話で言えば、今の発言の内容にしても、現実があまり見えてない状態での発言ですし、何処まで行っても俺は奈緒さんの味方ッスからね。



「うわっ!!なによそれクラ?それって、私を裏切る気?」

「イヤイヤイヤイヤ、間違っても裏切らないッスよ。俺は、奈緒さんの永遠の味方ッスよ」

「じゃあ、それを証明してよ」

「証明ッスか?そんなもん、どうやって証明するんッスか?」

「美樹に向かって、エロパン・チョモランマって言え」

「いや、奈緒さん。そりゃああんまりじゃないッスか?本人が嫌がってる以上、ワザワザそんな事を言ってあげなくても良いんじゃないッスかね?多分、なにかの拍子に、良かれと思ってやった事なんッスから」

「良かれじゃないわよ。そんなの若手漫才師のネタにもならないわよ」


いや、そうでもないと思うッスよ。

そう言う彼女の姿を一回位なら見てみたいって心境になるのが、男性心理だと思うッスからね。


あぁけど、例えそうであっても奈緒さんはダメっすよ。

そう言うアダルティーな下着を着用するイメージじゃないッスからね。


ドチラかと言えば、奈緒さんは清純派ッスしね。

(↑結構エロイっすけどね)



「いや、もぉ、本当に辞めて上げましょうよ。美樹さんが可哀想ッスよ」

「面白いからヤダ」

「もぉ、この人だけは……じゃあ、あのよぉアンちゃんよぉ。アンタさぁ、美樹さんの彼氏なんだろ?だったらフォロー1つもしてやれよな」

「うん?なんで僕が美樹のフォローをするんだい?美樹が、あのパンツを履いたのは事実なんだから……それをフォローしろって言われてもなぁ。フォローのしようがないしなぁ」


コラコラ、なにを言うかと思えば、このデカイあんちゃんだけは……

あのなぁ。

そこは事実がどうあれ、彼女を必死にフォローすんのが彼氏の役目ってもんだろうに。


それをアンタが放棄してして、どうすんだよ?


ダメじゃん。



「あのなぁアンちゃん。事実とかの問題じゃなくてだな。自分の彼女が苛められてたら、なにかとフォローすんのが彼氏の役目ってもんじゃねぇのか?なにが有っても、そこは傍観しちゃイケネェよ」

「そうなのかい?」

「いやいや、アンタなぁ。美樹さんが可哀想じゃないのかよ?」

「へっ?可哀想?なんで可哀想なんだい?女の子同士の会話って、こんなもんじゃないのかい?」


もぉ……このイケメン外人だけは勘弁してくれ。

そこはフォローして貰った方が、彼女ってのは、彼氏からの愛情を深く感じられて嬉しいもんだろうに。


そう言う女の子の心理ぐらい、ちゃんと理解しとけよな。


じゃないとな。

昔の俺みたいに、仕舞いには怒られるぞ。


自慢じゃないが俺は、奈緒さんに何回もそう言った場面で怒られてるからな。


ホント、なんの自慢にもなんねぇけどな。



「オイオイ、頼むわ。例え、そうだとしてもだ。男なら、自分の彼女の味方してやれよな。じゃねぇと、仕舞いに美樹さんに捨てられるぞ」

「捨てられるだって?それは困る。僕は美樹が好きだから、それは困るな」


なんだ?

冷たい事を言ってる割には、意外と相思相愛な感じなんだな。


だったら四の五の言わず、キッチリカッキリ上手くフォローすりゃあ良いじゃんかよ。


アメリカ人の感覚ってのは、ホント訳わかんねぇな。



「あぁ大丈夫、大丈夫。あたしが、エドを嫌いに成る事なんてないから」


あぁ……美樹さんって、奈緒さんと一緒で彼氏を甘やかす系だ。


でも、そんな事し続けてたら、あっしみたいなダメ男が育つだけですぜ。



「本当かい?僕の事を嫌いになってないかい?」

「成ってない、成ってない。あたしはズッとエドが好きだから心配ないって」

「うわ~~~っ、なにこれ?酷いバカップルがいる」

「バカップルじゃないわよ。奈緒だって、兄貴君の事を十分に甘やかしてるじゃない。人の事を言えた義理じゃないでしょうに」


ちょ……なんで此処で俺に飛び火?


俺、これでも必至に美樹さんのフォローしてたつもりなんッスけど?

なのに、なんで、こんな仕打ちを受ける羽目になっちまってるんッスかね?


そりゃあ、あんまりなんじゃないッスか?



「そりゃあ、私は甘やかすわよ。だってクラは、私より年下だも~~~ん。まだまだ解らない事も一杯有るだろうしね。だからそこは、しょうがない、しょうがない」

「なによ、その言い方?まるで年上のエドがダメダメみたいな言われ方なんだけど」

「いや、言われてるもなにも、ハッキリ、そう言ってるんだけど」

「どこがよ?エドは最高じゃない」

「いやぁ~~~、それはどうよ?お馬鹿ちゃんのクラに注意されてる様じゃあ、最高って言葉には程遠いと思うんだけど……どぉ?」


まぁ確かに、そうッスな。

お馬鹿ちゃんの俺に注意される様では、人としては、かなりOUTな類ッスからね。


どこをどう転がっても、決して最高ではない。


あぁけど、あれッスよ。

このデカイあんちゃんは、俺なんかより才能が有るみたいッスから、その辺は世間的にも許される可能性があるかも知らねぇッスけどね?



……ってか奈緒さん!!

それはそうと、誰が、お馬鹿ちゃんッスか!!( `~´)ノ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


穴あきパンツ着用姉さんと、あまり彼氏としての役目を果たせないデカイあんちゃん。

そしてトドメに、恋愛の事で倉津君に注意されてる様では、間違いなく奈緒さんの言う通り『完全にダメなカップル』ですね(笑)


まぁ、それでもエディさんと美樹さんは、ある程度は、こう言う関係を納得した上で上手く付き合ってるみたいなんで、それはそれで良いのかもしれませんがね(笑)


……って、こんな事ばっかり書いてたら『なんの話やねん、これ?』って思われてそうですが。

私個人としましては、ただ単に『エディさんと美樹さんの付き合いが上手くいってる』ってだけを表現するのではなく。

サブキャラクター達の恋愛事情とかもキッチリ書いた上で、その話から『本題』にも繋げていきたかったので、この会話は結構重要だったりします。


主題だけをバンバン書いたのでは野暮ったいだけですし、なにより『サブキャラの深み』が出ません。

そしてなにより『誰にも干渉せれる事もなく自由に書ける』っと言うWEB小説の特性を上手く生かす事が出来なくなっちゃいますしね。


さてさて、そんな思惑がある中。

今度は、なにやら話題が『年上年下問題』に流れて行ってる様なのですが。

ここから、どうやって本題である『真菜ちゃんの知り合いづくり計画』に行き付く事になるのか?


そして、その当の本人である真菜ちゃんと眞子は、どのタイミングで帰って来るのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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