1103 みんなに伝えたい気持ち
山中君やカジ&グチ君に、今の真菜ちゃんの評価をして貰い、高評価を得た事に満足する眞子。
去れど、何故、眞子が此処まで真菜ちゃんを可愛がるのかを疑問に思った男性陣は……
***
「うん、あぁ、それはね。私ね。一人っ子だったし。真琴ちゃんと、真菜ちゃんが仲の良いのを以前から知ってたから、そこには入らせて貰いたいなぁ。……なんて、ズッと思ってたからかな」
思ってましたとも。
そりゃあ念願でしたとも。
この姿に成っても尚、真菜ちゃんに姉妹の契りを交わして貰えるなんて、まさに夢の様な現実でしたからね。
まさか、こんな幸運に恵まれるなんて、夢にも思わなかった訳ですよ。
その上で『真琴ちゃんより兄弟ッポイ』って言われたら、私は堪ったもんじゃないですよ。
俗に言う、嬉しさ余ってポックリ死にそうです。
そんな訳なんで、良く解ってくれてる山中君を無視するのは、もぉ辞めよう。
現金な私で、ごめんなさい。
「ふ~~~ん。人それぞれ色々有るもんなんやな。ウチなんかはな。姉貴が1人居るねんけど、正直、兄弟なんか鬱陶しいとしか考えへんかったわ。居らんかったら居らんで、欲しいもんなんやな」
「うん、そうだね。一人っ子は、親に集中的に愛情を注がれるけど、親には相談出来ない事とかもあるじゃない。でもさぁ、兄弟が居たら、なんとなく相談出来たりするでしょ。その辺を考えると、ヤッパリ、自分以外の兄弟を1人は欲しいかな」
「ほな、マコの方やったらどないやねん?」
微妙。
「うん、それでも、全然嬉しいよ。でもね。ヤッパリ、本心を言えば女兄弟が良いかな。服とかも共有出来るし、男と女じゃ思考が違うからね。女の悩みは、女にしか解決出来無い事が多いしね」
……って、遠回しに『私で良かったら、なんでも相談してね』って、真菜ちゃんに言ってるんだけどね。
此処を解ってくれるかな?
「なるほどなぁ。ほんだら仮に真菜ちゃんが、眞子ちゃんに相談してきたら、なんでも答えたる言う事かいな?」
うわっ、うわっ、山中君を、本当に侮ってたみたいだね。
意図も簡単に、私の意図を汲んでくれてる。
こりゃあ本格的に、見る目を変えなきゃダメだね。
……ってか、見る目を戻すって言うのが、正確なのかな?
「そりゃあ、これだけ可愛がってるなら、全身全霊で答えるんじゃね」
あらら、いつも通り軽い感じだけど、カジ君も中々やりますね。
よく解ってらっしゃる。
「けど。それは本心なのか?所詮は、親戚としてではないのか?」
う~~ん、流石、朴念仁系のグチ君。
言わないでいい事を言ってくれちゃいましたね。
でも、実際は、そう言う見解もありなんだよね。
普通なら、そう考えるに至るのが順当な意見なんだろうしね。
でも、私の解答としては違うよ。
なんて言ったって、口に出しては言えないけど、真菜ちゃんと、私は……本当の兄弟だからね。
何所までも親身に成るよ。
「親戚……あぁ、うん、確かに、私と真菜ちゃんは親戚だよね」
「だろ。だったら、そこまで真剣になれるもんなのか?」
「うん、成れるよ。だから、正解はカジ君の方だね。でもね。実際の話で言うと、これは真菜ちゃんだけに限った話じゃないんだよね」
「どういう事だ?」
「うん?あぁ、私ね。崇秀と付き合ってから初めて解ったんだけど。他人とか、親戚とか、兄弟じゃなくてね。知り合った人全員が家族みたいなものだから、全員が幸せに成れる様に頑張りたいなぁって思える様になったのね。だから、誰か1人だけが特別な訳じゃないんだよね」
「なっ!!」
これが一番の正解の解答。
皆さんには、これだけ一杯お世話に成ってるんだから、出来る限り、全員が幸せに成る様に努力したい。
この気持ちに嘘はない。
まぁ、中には特別な人もいるけどね。
それに……
「まぁ、勿論ね。そこにはきっと、幸せの行き違いなんてものが有るから、矛盾なんてものが、必ずしも生じるとは思うんだけどね。それでも出来る限り、全身全霊で答えたいとは思うよ。これは綺麗事じゃなくて、本心ね」
「マジで……」
「うん、マジで。でもでも、まだまだ実際は、そんなに上手く行ってないから、もっともっと一杯努力しなきゃイケナイんだろうけどね。崇秀の域は程遠いよ」
「いや、マジで、あの究極のアホタンを目指してるんか?」
コラコラ。
君は、奈緒ネェ直伝の『ポコポコシバキ』を喰らいたいのかね?
それ以上、崇秀の悪口を言ったら、ノートの角で、狙った様に『ポコポコ』にするよ。
「あのねぇ。人の彼氏を捕まえて、軽々しくアホ呼ばわりするんじゃありませんよ」
「そやかて眞子ちゃん。秀は、かなりのキワモノやで」
「まぁね。傍から見れば、そう見えるかもね。けど、崇秀はキワモノなんかじゃないよ。崇秀は、いつもみんなの事しか考えてないからね。その証拠に、崇秀は1週間に一回しか殆ど寝ない。それ以外は、いつも知り合った人の事バッカリ考えてるもん」
知ってると思うけどね。
崇秀は、そう言う奴なんですよ。
だから私は、少しでも彼を見習いたいと思って、色々頑張ってみている。
まぁ……私の場合は、なんか失敗ばっかりだけどね。
&私は、肌が荒れるので徹夜はしませんけどね。
時間になったら、直ぐに寝ちゃいますから。
「なん……やて?あのアホ。そないな事をしてるんか?」
あれ?なんだ、意外にも知られてなかったんだね。
「うん、ずっと前からそうしてるね。現に私が、崇秀と付き合ってからも、寝てる所なんて1度も見た事ないもん」
「姉様。それは、本当の話なのでしょうか?崇秀さんは、確か一昨年前までは、兄とよく遊んでたと思うのですが。何故、急にそんな風に成られたのですか?」
あっ……話とは全然関係無いけどさぁ。
今、真菜ちゃんが言った『崇秀さん』って言い方良いね。
私も遜った時にのみ、偶に使ってるんだけど。
自然にそう言うのって、なんか凄く好い感じだね。
私も今度から『崇秀』って呼び捨てにするの辞めて『崇秀さん』にしよ。
人が言ってるのを聞くと、本当に凄く良い感じだ。
「うん?あぁ、それはね。真琴ちゃんの何気ない一言『ドライだな』って言葉が引き金になったらしいよ。その言葉が崇秀に突き刺さって、向上心を、より一層上昇させる様になったんだって」
「えっ?たった、その一言でですか?」
まぁ信じられないよね。
言った本人である私が、一番ビックリしてるんだもん。
「そうだよ。その日から、崇秀の目線は、セコイ事を考えず。知り合った人間を全員をパワーアップさせて、その上で、自分は、その遥か上を行く事を目指し始めた。常識では考えられない思考だろうけど、崇秀は間違いなく、それを実践し続けてるよ。付け加えて言うなら、色んな事に手を出し始めたのも、この時期からだね」
此処を……真菜ちゃんは、深く解ってくれるかなぁ。
要するにはね。
くどいかも知れないけど、さっきの服装の話なんだよね。
大きな才能を与えられた者は、必ずしも、それを使いこなさなきゃ成らない宿命を背負ってるの。
だから真菜ちゃんは、テニスに打ち込むだけじゃなくて、女性としても綺麗にも成らなきゃイケナイ。
それが真菜ちゃんが産まれ持って背負った宿命。
……でも実際は、そう言う才能を持った大半の人間って言うのは、ついつい自分の才能に溺れて、自分を完全に見失ってしまう。
そう成らない為にも崇秀を見て、色々見習って欲しい。
でも、これは決して、崇秀が、自分の彼氏だから言ってるんじゃなくて。
真菜ちゃんは、そう有るべきだと思ってるからこそ、口にしたんだけどね。
ちょっと難しいかったかな?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
眞子の理想は『知り合ったみんなが幸せになる事』
勿論これは、誰が聞いても果てしなく無謀な夢ではあるのですが。
本当に協力し合える人間さえ集まれば、まずは小規模なら不可能ではありませんし。
そこから、徐々にでもその輪を広げて行けば、大規模なコミュニティを確立する事も可能だと思います。
これが俗に言う『宗教の成り立ち』であったり『崇秀の作り上げたGUILD』であったりしますしね。
まぁただ、本編でも眞子が言ってました様に。
人間は自分の都合の良い様に解釈する事が多々ありますので、輪を広げる際に人選を誤ったら大変な事に成りかねない。
なので、そこで先導する者は「先見の明がある人間」か『相当なカリスマ性が必要』とも言えますがね。
さてさて、そんな中。
そう言った眞子の意志は、真菜ちゃんに伝わっているのか?
次回はその辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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