1101 着慣れない服を着た者の心境
眞子と真菜ちゃんが出掛けてる間に、ステラさん達の相談を聞いていた倉津君。
そしてそれ自体は、ほぼ解決に向かって動き出したのだが。
その頃、眞子と真菜ちゃんはと言うと……
***
―――サイド眞子。
うぅ……ヤッパリ、ウチの真菜ちゃんは世界一可愛いね。
贔屓目や忖度がアリアリなのかも知れないけど、可愛いものは、なんと言っても可愛いもんね。
イヤイヤ……それ処か、この子は将来、きっと綺麗系の女の子になるね。
……って言うのもですね。
先程、崇秀の家に到着してから、まずは真菜ちゃんを軽くお風呂に入れて。
その後、私の部屋で色々と今日の為の服装を真菜ちゃんに合わせてみたんだけどね。
顔の作りが、少々大人びてるにも拘らず。
この子、どんな服を着ても、全部、完璧なまでに着こなしちゃうんですよ。
それが可愛い系であっても、綺麗系であっても。
はたまたやんちゃ系でも、ちょっと大人びた感じ系であっても、どれをとっても見事な着こなし。
まぁ勿論、この服を、私の為に選んで買ってくれたのが元々崇秀だって言うのが功を奏してる部分も多岐に渡って見受けられるんだけどね。
それでも真菜ちゃんの汎用性の高さは間違いない筈なのです。
まぁただね。
当の本人にである真菜ちゃんが、基本的な部分で自分の事に対して自覚が無いし、こう言う服装を自身で余りした事がないのかして。
私が、散々『似合ってるよ』って言っているにも拘らず、オロオロするばかりか、必要以上に不安そうな顔をしているだけに留まっているんだよね。
それだけ可愛いんだったら、もっと自信を持てば良いのにね。
困ったもんですよ。
……まぁそんな中。
出来る限り服を厳選して、真菜ちゃんに一番似合う服装をチョイス。
その後、崇秀の家を後にして、真琴ちゃんの家に戻る為の自転車を置いた場所まで辿り着いた。
あぁ、因みにだけどね。
自転車は、真琴ちゃんの家まで呑気に押して行くつもり。
真菜ちゃんが、余り履き慣れない『短い』スカートで自転車の後ろに乗って、知らない人に下着でも見えたら豪い事だからね。
当然……見た奴を殺さなきゃいけなくなるからね。
「はい。じゃあ、着替えも終わった事だし。真琴ちゃんの所に帰ろっか」
「あぁ、はい。……ですが姉様。何故、私は、服を着替える必要性があったのでしょうか?あの服装に、なにか問題でも?」
ありゃりゃあ、なんちゅう間抜けな質問を……
女の子が綺麗になるのに、なんの理由が必要だって言うんだろうね?
謎だよ。
「特に意味なんてないよ。私は、真菜ちゃんを、誰からも可愛く見て貰いたいだけだから、服を着替えさせた。ただそれだけの事なんだよ。それ以上の理由なんて、なにもないよ」
「それは言い換えると、私の普段着が酷いと言う事なのでしょうか?」
「あぁ、うん、そうだね。ハッキリ言えば、かなり酷いね。真菜ちゃんは、自分の可愛いらしさを馬鹿にしてるとしか思えないね」
少々キツイ言葉に成っちゃてるかもしれないから、傷付いたらごめんね。
でも、真菜ちゃん、これは、私の個人的な意見なんだけどね。
『人に見て貰える快感』
これを女子なら、早くから意識した方が良いと思うよ。
勿論、運動に集中する事は、とても良い事なんだけど。
それだけに集中しすぎて、他が疎かになってしまったら、それはなんの意味も持たない。
スポーツだけに特化するんじゃなくてね。
勉強や、ファッションなんかも、もっともっと幅広く自分に取り入れて、全てをある程度のラインで卒なくこなせないと人生損をするよ。
そう言う意味の無い損だけは、真菜ちゃんには、絶対にして欲しくない。
だから、着替えさせたんだよ。
それにね。
後付で、センス的なものを習慣付けるのは、結構大変だからね。
何事も、早いに越した事はないんだよ。
まぁでも、言わば、これ自体は、小さな親切、大きいなお世話なのかも知れないけどね。
「えっ?……そうですか。そんなに酷いものでしたか」
「あぁ、うん。正直言えば、酷いと言うより残念だね。……ただ此処で、一応、言っておくけどね。別にジャージが悪いって言ってるんじゃないんだよ。ジャージも上手く着こなせば、可愛くも見えるし、綺麗にも見える。でも、着こなしの仕方が解らなくて、ただ着てるだけじゃ野暮ったいだけ。それじゃあダメなんだよね」
解るかな?
別に私は、ジャージを否定してる訳じゃないんだよ。
私自身もラフな格好をしてる時は、ジャージを合わせで使ったりもするしね。
だから決して、ジャージは悪くはない。
ただね。
そんなに綺麗な顔をしていて、普段着が上下共に学校指定のジャージはないんじゃないかなぁ?
せめて、もぉちょっと頑張ろうよ。
それじゃあ余りにも、全部が全部台無しだよ。
「あぁ、すみません。私は、そういう関係の事には疎いもので」
「あぁ、そんなのは、全然大丈夫な範囲なんだよ。それにみんな、最初は誰しも服装に疎いもんなんだからさぁ。……綺麗な人は、みんな、色々試行錯誤して、どう服を合わせるかが見えてきてるだけの話。最初から出来る人なんて早々には居ないよ」
偶に、そう言う人も居るけど。
此処のビルのオーナーがそうだけどね。
けど、そんなのは稀な人でしかないから、そこまで心配はないよ。
「そうなんですか?ですが、日焼けして色黒な私なんかがオシャレをしても、野暮ったいだけではありませんか?」
「全然野暮ったくないよ。寧ろ、健康的な日焼けは、その人の魅力の1つに成り得るの。真菜ちゃんは、そのタイプだから100%OK。凄く可愛いよ」
「そう……ですか?」
まだ自信が無いと仰いますか?
あぁでも、真菜ちゃんの心境としたら、普段しない格好をしてる訳だから、多かれ少なかれ不安になるのも否めない話かぁ。
なんかそう考えたら、納得出来なくはないね。
けど、これはどうしたもんだろね?
……なんて思いながら、オロオロしてる真菜ちゃんと一緒に自転車を押していると。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
眞子の様にファッショ好きな子であれば、自分の好みや、自身の魅力を最大限に発揮する事が出来るのですが。
その逆に、ファッションに成れていない子と言うのは、どれだけ『似合う』と言われても一抹の不安が抜けないもの。
それこそが、今現在の真菜ちゃんの状況と言った感じですか(笑)
ひょっとしたら皆さんも、服選びをしてる際に、こう言う経験をした事があるかも知れませんね。
……とは言ったものの。
このままの状態だと、その自信の無さから、真菜ちゃん自身が少々身が縮んだ状態でのお披露目に成ってしまうので。
どうしても、真菜ちゃんの魅力を最大限に生かす事が出来なくなってしまいます。
さてさて、これは本当にどうしたもんでしょうね?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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