1094 俺に知り合いも国際的に成ったもんだねぇ
食後、真菜ちゃんに余計な事を言った倉津君。
その罰として、眞子に洗い物を任されてブゥブゥ言いながらも、それをクリアして、部屋で勉強していたら……
***
「坊ちゃん!!坊ちゃん!!どなたか、お客様がおみえですぜ!!そちらの方に上がって貰って宜しゅうござんすか?」
……ってな感じで。
玄関付近から、矢鱈と大きな声で玄さんが何かを言ってくるんだよな。
どうやら、この様子からして、俺の予想に反して、電話を掛けた誰かが早くも此処に来てくれたみたいだな。
まぁ……丁度、勉強にも飽きてきてた処だったから、グッドタイミングと言えば、グッドタイミングだったな。
「あぁ、玄さん。誰かは知らねぇけど、取り敢えず、上がって貰ってくれ」
「あいあい、了解しやした。……お嬢さん方、どうぞ上がってくだせぇ。坊ちゃんの部屋は廊下の突き当たり、奥の部屋になりやすから」
「Sorry MR」
「失礼致します」
外人?それも女か?
なんだ?眞子の奴、一体誰を呼んだんだ?
それに2人目に声を出したのって、明らかにステラだよな。
なら、ステラ関連の人間が一緒に来たと考えるのが順当だな。
……にしても誰だ?
そう思ってる間に、その来客の2人は、なにやら話をしながら廊下を渡ってコッチに来ている様だ。
まぁ良いかぁ。
先刻言った通り、誰が来たのかは知らねぇけど。
もう1人の外人も、多分、眞子とステラの知り合いなんだろうしな。
それなら深く考える事もあるまいて。
なんて想った、その瞬間『ピシャ』っと障子が開いた。
「Hello鞍馬、遊びに来てやったよ。……って、あれ?鞍馬が居ない」
おぉ……誰が来たのかと思って、ちょっとの間、炬燵に入りながらも無い頭を絞って思案していたが……なんの事はねぇ。
ステラと一緒に現れた人物は、今年の文化祭のステージでドラムを叩いてた姉ちゃんじゃねぇかよ。
まぁけど、この姉ちゃんなら、別に変に意識をする必要もねぇな。
ある意味、一安心だ。
だってよぉ。
あの文化祭の後、奈緒さんの家で、この姉ちゃんとは1度ゆっくり話した事が有るからな。
今更、そんなに気兼する必要がねぇんだよな。
「おぉ、誰かと思ったらアンタか」
「うん?なんだい?これはまたおかしな顔が居たもんだね。なんでアンタが此処に居るんだい?」
異な事を……
「いや、此処、俺ん家だから、そりゃあ居るわな」
「あぁ、そうなのかい。此処ってアンタん家なんだ。矢鱈デカイ家だね」
「まぁな。……つぅかな。眞子の奴は、俺の親戚だからな。此処が広いからよぉ。みんなの集合場所に使ったんじゃねぇか」
「あぁ、そう言う事か」
オイオイ、アンタ、どう言う認識で此処に来てるんだ?
誰の家かも解らねぇ上に、ヤクザの家にノコノコと遊びに来るってどうよ?
また逆に、これを承知の上なら、図太い神経してやがるな、コイツ。
「文化祭以来ですね、真琴。まだ生きてたんですね」
ブッ!!コイツだけは……
人がドラムの姉ちゃんと機嫌良く話してる時に、急に放った言葉がそれか?
相変わらず口が悪いな。
イキナリ入って来て『生きてたんですか』はねぇだろよぉ。
生きとるわい!!
「あぁ、悪かったな。残念ながら、まだ生きてるよ」
「そうですか。それは非常に残念で迷惑な事ですね。あれだけ世間に迷惑を掛けて置いて、まだ平然と生きてられるとは、図々しいにも程が有りますね、羞恥心は売り切れですか?」
「うっさいわ。放っといてくれ。……つぅか、ステラ、障子を開けっ放しにしたら寒ぃんだよ。ゴチャゴチャ言ってねぇで、さっさと中に入れつぅの」
「そうですね。それはポンコツにしては理に適った話ですね。……それにしても真琴でも、少しは気の利いた言葉を吐けるものなのですね。驚きましたよ」
「イチイチうっせぇつぅの!!」
「ウルサイのは、さっきからアナタ1人ですが。それすら解らないんですか?」
やかましいわ!!
「わかっとるわ!!……ったくよぉ。なんでオマエそう、イチイチ一言多いんだよ。ってか、汚ぇ所だけど、ソッチの姉ちゃんも中に入れよ」
「そうさね。お邪魔するよ」
そう言いながら2人は部屋の中に入って来て、上着を脱いだ後。
コタツの上に、差し入れのつもりか『ケンタッキーのパーティバーレル』を置き、コタツの中に入る。
飯を食った後だから、流石に今はケンタッキーの箱を見ただけで『うっぷ』って気分だな。
しかしまぁ、なんだな。
最初の来訪者が、外人2人ってのは中々国際的だな。
それによぉ。
このドラムの姉ちゃん……言葉に品はねぇけど、意外と綺麗な顔してんな。
オィちゃん、女の子に囲まれて、ちょっとドキドキするぞなもし。
「ところで真琴」
「なっ、なんだよ?」
動揺しました。
毎度毎度のショボ蔵です。
「ハァ……なにを考えての動揺かは、敢えて聞きませんが。鞍馬は何所に行ったんですか?」
「あぁ……アイツな。アイツなら、まだ時間が有ると思い込んで、ウチの妹を連れて、どっか出掛けて行ったぞ。まぁ、約束がある以上、そんな遠くには行ってねぇだろうから、その内、帰って来るんじゃねぇの」
「なんだい。鞍馬は、本当に居ないのかい?」
「あぁ、残念ながら、今は居ねぇな。それによぉ。さっき嬉々として出て行きやがったから、なんか重要な用事でもあんじゃねぇの」
「あぁそぅ。じゃあ、仕方が無いね。話は先延ばしだね」
「うん?先延ばし?なんの話だ?」
うん?なんだよ?
オマエ等って、真菜に顔合わせしてくれる為に、此処に来てくれたんじゃないのか?
けどこの様子じゃあ、それ以外にも、なんかアイツに重要な用事でもあるみてぇな感じだな?
っとは言え、流石に今の状況じゃ全然話が見えねぇ。
なら、取り敢えず此処は、相手の出方を伺ってみるか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
最初の来訪者はステラさんとミラーさんでしたね。
そしてまぁ、いつも通りステラさんとのコミュニケーションを終えた後。
なにやら真菜ちゃんに会いに来てくれた以外にも、眞子に用事がある様な雰囲気。
果たして、彼女達は、どの様な用事が眞子にあるのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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