第5話 おでかけ
親とドラマやアニメを一緒に見ている時、キスシーンとか気まずくないですか???
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今日はショッピングモールにお出かけの予定。何か買ってもらえるかな?何処か行った時は何か買ってもらえるけど、父さんがいる時は母さんだけの時よりいっぱい買って貰えるからちょっと楽しみだ。俺は相変わらず布団の上でゴロゴロしたりテレビを見たり、楽しく過ごしている。
「ア◯パンマン」や「◯かあさんと◯っしょ」という番組をよくつけてくれるけど、父さんが見ているアニメの方が面白い。みんな剣とかで戦っているのだ。中には魔法が使える人も出てきたりとなかなか馴染みのある世界観で見ていて飽きない。やっぱりイメージをつけるには映像を見るのが一番良い。
俺が父さんが見ているようなアニメを見ていると何故か母さんは嫌がるんだよね。ま、俺が駄々をこねれば見せてくれるけど。
そろそろ9時になるからお出かけかな。
「そろそろ行くよ。涼」
「ん」
俺は返事をしてその場を立ち上がる。大分上手に歩けるようになったけど走ることはまだ出来ない。走ったらこけるしね……
車に乗って15分くらい。リュクスの時と比べたら移動時間が大分違う。基本的な移動でも何日かかることやらって感じだったし。流石に城下に出るだけだったら何日もかからないけど、隣の街に行くとなったら何週間もかけて行かなくてはならない。それはそれは大変だった記憶がある。
大体が馬車の移動で、自分1人の時は馬だったりもしたけど、それでも結構時間はかかってしまう。魔法は別枠。一瞬でついちゃうから……
ま、この世界は移動手段がすごく進化している。建物とかに関しては貴族街と比べると飾り気はないけど、それなりに頑丈だし、清潔だ。広さは少し物足りなさがあるとはいえ、このくらいのスペースなら広すぎて掃除をするのが大変ということもない。このくらいの広さがとても生活しやすいというのも実感出来た。
車はホ◯ダの「フリード」で、お父さんのバイクはヤ〇ハの「yzf r25」だ。バイクという乗り物はめちゃくちゃかっこいい。けど、仕組みは結構複雑で、全部の構成と部品の形状を覚えるのも大変だ。前回買い物に行った際、バイクの仕組みの本を買ってもらってから最近ではよく見ている。
「ついたよ」
「ん」
「どこ行く?」
「お昼?」
「ゲーセン」
「ど、どこでそんな言葉を……」
ゲーセンという言葉を俺が発した為か母さんがショックを受けている。面白そうな「げぇむ?」というものが沢山置かれているというゲーセン。「ゲームセンターを略してゲーセンだ」などと主人公が言っていたような気がする。
「お、お昼にしようか。涼……」
「ちょっと?その前にいうことあるんじゃないの?」
「あ、えっと…いや…あの、その……」
父さん言い訳が下手です……
「また変なアニメに見せたわね!」
「いや、涼が見たいって言ったから……な、涼」
ここはどう返したらいいのだろうか。まぁ、いつもアニメを見せてくれている父さんには感謝しないとだからな。
「うん」
「……」
いや、母さん黙っちゃったよ。ま、大丈夫か。俺がねだったんだから大丈夫だよね。
「母さん、お腹すいた」
「母さんではなく、ママと呼んでくださいな」
「母さんは母さんです」
「父さんも同じです」
父さんまでパパと呼べなど言われたら俺はキャパオーバーだ。今までお母様、お父様。と呼んでいたのだ。母さん、父さんになっただけマシだと思う……こちらからすると親に対して敬語を使わないとか、敬称をつけないとか慣れなくてそわそわするんだけど……やっぱ親は目上の人、ていう感覚が抜けないんだよね。仕方がないことなのかもしれないけど。
「お昼、食べに行く」
「ママ、と呼んでくれたらいいですよ」
「……」
ママって呼ばなきゃダメ…?無理だって……いっそのことお母様、お父様と呼んでみようか?いきなりなんだ!?ってなるだけか。
「ま、ま?お昼、食べる」
「キャァ!可愛い!!!!」
母さんの周りにハートが……
そんなに嬉しいものなのだろうか?俺にはよくわからない感覚であることには変わりないか。
「お昼、どこにする?」
「うどん」
「バスタ!」
「じゃぁ、うどんにしようか」
「え?俺の意見は?」
「うーん聞こえない聞こえない」
無視されてる…かわいそうだけど俺の好きな物が食べられるから感謝、感謝…
まだ幼い俺の体では硬い物を噛むことが難しく、まだまだ未発達なこの手ではうまく食べる事は出来ない。
どれだけもどかしく思っても結果は変わらないのだから成長発達するのを待つ他ない。
「かけの並一つと、サラダうどんの並一つ、かき揚げを二つ」
母さんが注文している。俺は恐らく母さんと一緒にカケを食べることになるだろう。子供の腹にはほとんど飯が入らんからな。母さんと分け合う程度で事足りる。
麺切りバサミというもので短く切ってもらったうどんをフォークで食べる。赤ちゃん用のフォークは大人用のものより使いやすい。流石母さん、ちゃんと準備している。
俺はなるべく周りを汚さないように……無理だけど、気をつけながら食べる。
果たしてお味は?
「おいし」←涼
「よかったわねぇ」←母
「美味しいな」←父
「そうねぇ」←母
楽しい昼食になった。そして次は買い物だけど……何を買うのだろうか?きっと俺を父さんに任せて母さんは食料を買いに行くだろう。
どこに行こうかな。また本屋をぶらついていても楽しいかもしれない。
「涼、どこ行く?」
「本」
「本屋か、じゃぁ行こうか」
本屋へ向かってレッツgo!
本屋には「楽しい韓国語」「プログラミングの基礎」「ハッカーの技術書」など楽しそうな本が沢山あった。他にもエンジンやモーターに関する本だったり、この国の経済環境に関する本だったり、色々なものを見つけた。流石父さん。俺が欲しがった本ほとんど買ってくれたよ。
多分プログラミングやハッキング技術に関しては自分が読みたかっただけで、「韓国語」という言語の本を見せてきたのは父さんが使えるようになりたいだけなのだと思う。だけど、俺もちょっと興味あるし、面白そうなので、一緒に読ませてもらうことにする。これでも頭は元学者。頭もそんなに悪くないはずだ。
日本という国以外にもたくさんの国があるというこの地球。他の国にもいつか行ってみたい。
このあとはおもちゃ屋さんでけん玉を買って貰って母さんと合流した。父さんの持っている紙袋を見て驚いていたけど、俺がねだったと言ったら笑っていた。
きっとこの後内容を見て父さんが欲しかっただけでしょう。などと言い出すだろうが、知識はいつになっても役立つ。あって損することはない。俺が欲しかったのも事実だから父さんを庇うことにしよう。
俺の両親仲がよろしい。俺から見ても超仲がよろしい。だけど、父さんは母さんに尻に敷かれている。というのも俺から見てわかってしまう。
買い物は有意義な時間を過ごせるんだね。
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風邪をひいてて結構しんどいです……皆さんもお体に気をつけて……
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