4 大橋仰「見た目は美少女 中身はおバカな女子高生の オモシロ吹奏楽ライフ!〜オーボエを奏でる元野球少女〜」

全五十一話・完結済 165,186文字


公開 2021/02/20


現代ドラマ


長編



 ギャグ小説です。率直に言うと、吹奏楽小説という以前にギャグ小説と呼ぶべき作品です w。

 ちょっと本作の概要から一部引用してみましょう。


この作品には、小学生が好みそうな若干お下品な表現が含まれます。

オーボエはしばらく登場しません。


 登場せんのかいっ、とさっそくツッコミたくなります。作品はプロローグと新入部員勧誘編(28話)・コンクールへの道編(22話)から成っていますが、見ておわかりのように、ストーリーの半分以上が、主人公の入部直後の日々を描くことに費やされています。後半になっていっぺんにコンクールを巡るあれこれの描写になるんですが、そんなこんなで楽器やら曲やらを正面から扱った場面というのはあんまり出てこないんです。

 とにかく、全編お笑いなんで。

 これだけお笑いに特化していると、「吹部を舞台に人間ドラマとかキャラの成長とか」を描いた小説とはちょっと言いにくいので、本作をここに収録するのは是か非か、湾多の中で少しばかり葛藤が生じたりもしたんですが、しかし、高校吹部をネタにここまで笑いづくしにできた作品というものも、これはこれてスゴいのではないか? と考え、ここに紹介する次第。

 返す返すも残念なのは、「では具体的な面白さの中身なんですが」とここで説明できないこと。ネタバレになりますやん。とにかく、ゼロから読んで100パーセントたっぷり笑いを堪能してほしい。もちろん、笑いのポイントは人それぞれで、この作品がどれだけギャグ小説として評価できるのか、湾多の口からはなんともいえませんけれど、ハマったとしたら、これは恐るべき破壊力を発揮する小説なんではないかと思います。電車の中とか待合室で読むのはお勧めしません。食事中などもっての外です。命に関わります。きちんと行儀よく机の上でイスに腰掛けて――でも、ツボに来たら多分座ってなんていられないでしょうね。ええ、個人差はあると思いますが。

 とにかく主人公そのものがギャグの塊。この歩く精神崩壊に大バカそのものな先輩が何人も絡んでくるんだから、おかしくないはずがない。これだけハイテンションな吹部が、なんだかコンクールでも大活躍するみたいだから、ほんと、もしこんな部活に入れたら、高校卒業と同時に死んでもいいって気になりますね。

 世界がどれだけまっ暗闇でも、この小説の文字の上には最高にピカピカの極楽色の笑いがあります。そんな言葉の力を実感したい時に、おすすめの一作。


→ 「見た目は美少女 中身はおバカな女子高生の オモシロ吹奏楽ライフ!〜オーボエを奏でる元野球少女〜」https://kakuyomu.jp/works/16816452218720896343




ポイント分析

  下ネタ(低年齢向けの)の豊穣さ *****

  笑いが連発しすぎて、逆に笑いにくいかも ***

  笑い要素のないキャラがいない? ****

  ちょっとした友情エピソード ***

  完結済みって宣言してるけど、続編希望 ****


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