第8話

薄っすらと、目を開けると白い壁がぼんやり見えた。

そして清潔な匂いがした。白いシーツが体に心地よい。

多分、ここは病院。壁に一枚の絵が飾ってあった。それは油絵で古城までつづく長い

道があった。道端には色とりどりの花が咲いていた。美しい道だ。

私はまた目をつむった。夢の中で古城へとつづく道をひとり歩いていた。

もう、目覚めたくない。頑なにそう思った。


誰かが私の頬を叩いて「起きなさい!!」と連呼している。

無意識に私はそれを拒絶し、夢の中に戻ろうとした。

「ドクター!ドクター!先生呼んできて!」

私の願いを遮っていたのはナースだった。

急に気分が悪くなり嘔吐した。

その瞬間、私はまた現実世界で生きなければならなくなった。

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統合できない私の日々 深山 静 @hanatoame

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