第44話

はー、疲れた。泣きすぎて料理する気もなく、出前を取って食べた。メニューは、ラーメンにぎょうざ。


「目が腫れたくないよ〜」


「撮影は入ってるんですか?」


「…あー、モデルの仕事あるよ〜どーしよ」


「それって実くんですか?」


「あ、…そうです」


デザイナー実さんと零はマブダチらしい。全然知らなかった。


「連絡しますね」


早っ


「実くん、明日離婚届を出します。それで、ですね、さっちゃんが、あーと、名前…」


ピーチをなぜ覚えないんだか。


「そうです。それで、今日体調を崩したので明日は休みたいです。マネージャーさんにはこちらから話しておきますね」


はー、迷惑かけちゃった。


「ごめんなさい。怒ってた?」


「いえ。マネージャーさんには、連絡してもらえますか?」


「うん。メールで。直でモデル会社には話したって伝えればオッケー。学校は行く」


「そうなんですか?」


「だってカエさんに会いたい」


ラーメン食べてお腹いっぱい。


「さっちゃん。なんだか、そのカエさんが羨ましいのですが」


「え?なんで?」


「さっちゃんがときめいているからでしょうか?」


「だって、カエさんは友達で…」


なん、で、キスする…


「僕も見てほしいです」


「み、見てる!」


「本当ですか?」


「本当」


零は甘えんぼなんだな。

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