第33話

「ピーチちゃん、あの…」


「なんですかー?」


帰る時に、カメラマンの足助さんに呼び止められた。


「お仕事お忙しいと思うんだけど…ちょっと…ランチとか…」


「すみませーん!仕事すぐなんで」


「ですよね!すみません!」


なんだろう?なにか話したかったのかな?


新学期になったけど、同じクラスにカエさんいないの寂し〜。でも帰ったら零がいる。


「さっちゃん、友達に会ってほしいのですが…」


「は?夜だよ?いいの?」


「はい。公園で会うのですが…」


「ならいいよ」


てゆーか、零と歩くのはじめてだ。手を繋ぐのか…。そして、洋服着るのか。友達がくれるというオシャレなやつ。私は上下黒のジャージだけど。ニット帽かぶってサングラスもかけてる。


「…夜なら目立たないからデートできるね」


「あ、…確かに。ラブホとか行ってみたいですね?コスプレして欲しいです」


「…外でそんな話しないでよ」


「すみません」


結構歩いたところにある、公園のベンチに座って待ってると、なんか、ヤンキーっぽい人がやってきた。まさか、この人が友達?


「零くんだよね?」


くん呼びなんだ。そして、怪しまれた。


「はい」


「相談って?…それ誰」


「この子は、彼女なんです」


「…は!?」


「ほのかと離婚したいんです」


…嫁の名前を初めて聞いた。


「え…なに、喧嘩?」


「無視されているというか…」


「その子と結婚したいってこと?」


「え、いや、それはまだです!付き合ったばかりですから」


「…え、不倫?」


まぁ、そう思われてもしょうがない。


「私が説明します。聞いてください」


「あ…はい…」


つい仕切ってしまった。

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