第31話

「騒いでるかと思ったの」


「いえ、なにも…」


やば、意外とショックでトイレで泣いてたりして。


「つまんないね」


ジャムさんが出てったあと、トイレをチェックしたけど、誰もいなかった。


翌日、普通に仕事にピーチはやってきた。何事もなかったように。そして、朝礼ではロッカーをつけましたと発表された。まさか、社長にちくったのか?ジャムさん危うい…。が、ジャムさん今日休みかよー

私だけもやもやした。


「はぁ〜ピーチちゃんまじかわいいですよねぇ」


メイクの餅月もちづきさんは、私のメイクしながら違う人の話。


「話したんですか?」


「そうなんだよねぇ、メイクうまいですねぇって褒められてー」


お世辞言うんだ。


「萩原さんが付き合いたいとか言い出しそうですね」


「いやいや。ほのかちゃん、それはない!アイドルと付き合うなんて無理!」


「え、そうなんですか?」


「論外」


なんか…むかついてきた。私は、みんなに付き合えそうと思われてた。


あの子は違うの?


そして、零さんの帰ってくる3ヶ月目だったことを思い出した。部屋に入れたけど、結局言うことは変わってない。


「あと、半年は反省しといてよ」


「え…」


「出てって」


私はそれどころじゃない。

あの子を辞めさせたい。私たちと違う舞台に立つ、あのピンクの髪の。

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