3ヶ月

第25話

それからの撮影では、嫌がらせはなかった。ロッカーも翌日からあったし。鍵は、メイクさんがしっかり守ってくれたし。

ただ、仕事が忙しくなって、お茶は辞めて、学校もほとんど行けなかった。

あーあ、カエさんと3学期ほとんど会ってない。でも、メールはできるんだから。


「同じクラスになれるといいね」


きゃー!恥ずかしい!こんな文面でいいかな?


「さっちゃん…なにをしてるんですか?」


「え?べ、別に。メール」


「ベットでバタバタしましたよね?」


「…カエさんにメール。同じクラスになれたらいいなって、言いたかったから…」


「直接は会えないんですか?」


「だって学校以外で会うなんてできない!恥ずかしい!」


「…僕よりその子が好きですか?」


「なにそれ。カエさんは憧れなの!カエさんはね、本当かわいくて…優しくて。あ、メール送らないと」


ええい。もう、このまま送る。


「さっちゃん、僕は明日3ヶ月経つので、家に話に行ってきますね」


「…そういえばお金渡しに行ってるのに会わなかったの?」


「それが、いなくて。鍵を開けてもチェーンをされていて、部屋に入れませんでした。電話もメールも無視されました」


「なにそれ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る