新しいお仕事

第14話

な、なんで私が…


こんな会議室に?


「緊張しないで〜。ピーチちゃん」


大物アイドルで、大物女優の瀬川せがわさんと話すことになるなんて…!マネージャーも黙ってる。


「は、はい…」


「今日はモデルの仕事をお勧めしたくて」


は?


モデル?


「グラビアやってたよね?写真見たけどすごくかわいくて」


「ありがとうございます…」


「私、モデルしてる暇ないから、ピーチちゃんにお願いしたいなー?」


「もちろんです!よろしくお願いします!」


マネージャーが勝手に了解した。私は反応できない。瀬川さんの仕事を私がする…?ってことぉ!?


そして、あれよあれよと進行して、私と仕事をする会社へとマネージャーと訪れた。社長さんは、小柄で若くてイケメンで優しい方だった。


で、現場に挨拶になり…


「フラワー・ラフワーの新作は水着になります。モデルは、新しくモデルになって頂く、ミックスジュースのピーチさんです」


業務連絡の合間に私は紹介される。なぜだか、ドアを開けた裏に待機している。


「えー!?」

「社長どういうこと?」


「瀬川さんの紹介です。どうぞ、中へ」


私が部屋に入るといっそうざわざわ。先に言ってないせいだ。


「う、っそ…すご」

「本物だ…」


「はじめまして〜ピーチでーす。よろしくお願いします〜」


「ちょっと社長!ジャムだって水着オッケーだよ?」


金髪の女の子が反論してきた。


「すみません。東京の事務所所属のモデルは、撮影禁止となっています」


「えー?なんでー」


「存じ上げませんが」


「社長。撮影はどなたが?まさか小暮こぐれくんですか?」


「は?俺が?そんな暇ない」


「え、萩原はぎわらなのでしょうか?」


「いいえ。沖縄から呼びます。デザイナー直々に撮影します」


「…それは素人ですよね?」


「すでに決定事項です。では、ピーチさん。本日は見学して下さいね」


「は〜い」


めんどくせぇ〜いざこざだ。

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