第8話

零は家事ができないと前から言っていた。それは嫁が教えてないから。片付けもできないらしい。そんなはずはない。お茶の道具片付けてるし。


「零の荷物は?」


「家から今日持ち出します」


「たくさんある?」


「仕事の道具なので、知り合いの花屋さんにトラックを出してもらえるか相談します」


結局住ませることになった。

だって昨日、私が言った。


零、ずっといて


…バカー!恥ずかしい。


「うん。じゃ、私行くから」


「え、早いですね…」


「わかんないことあったら連絡してね」


「はい。さっちゃん、行ってらっしゃい」


…くぅー!

年上のくせに〜!


学校に到着して、トイレで髪型セットとメイクと、歯磨き。私、なんか顔がにやけてないだろうか?


零、お皿洗えたかな?


「ピーチちゃんおはよう!」


「あ、おはよ〜」


トイレでいろんなクラスの女子から挨拶される。みんな、私、にやけてないかしら?何も言わないけど。とりあえずスマホチェック。


うあ、零からメールきてる。


「さっちゃん、荷物は本日運ぶことになりました。どこに置いたらいいですか?」


律儀な文。


「リビングに置いといて。箱のまま」


さて、今日カエさんと話せるかなー?

はぁ〜楽しみ!


それに、帰ったら週一で会ってた零がいるんだよ。

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