第3話

「嘘ついたら、回し蹴りするから」


「はい。嘘ではありません」


「奥さんにキレられて、殴られるかも。入院したりしてね。大怪我で」


「僕は…武道をやっているのでそれはないです」


あーそうだった。得意なんだって。


「ねぇーどうしてさぁ、今日言ったの?付き合ってって」


「…メールを読んで、すごく、怖くなりました。返信も、なかったので。さっちゃんが、教師になにをされたのかと…不安で不安で。僕ができることはなんでもしてあげたい。さっちゃんが僕のことをどう思おうが、助けたいし、さっちゃん…」


さっき、私の大好きなカエさんがされてたように、私も零に抱きつく。


「来てくれてありがとう。嬉しい」


「…さっちゃん、僕…」


こんなに心配してくれるなんて。カエさんの彼氏気取りな鈴野すずのくんよりもっと心配してるんじゃない?泣いてるもの。

う〜カエさん、本当に零と付き合ってもいいの?零が泣くとか不意打ちだ〜


「妻に、今日別れるって話します。でも、すぐに承諾してもらえるかは…。時間がかかるかもしれませんが、必ず」


「…うん」


それから家まではタクシーで帰ったけど、零は話できたかな?怯えて話せなかったりして。

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