第2話

目が覚めたら、畳の部屋。あ、ここはお茶の教室だ。


「大丈夫ですか?」


「…うん」


どうやってここにきたんだ?毛布着せられてた。かぶってた帽子は取ってある。髪の毛がピンクで目立つから被ってるけど、別に派手な色の人なんていくらでもいるし、関係ない。サングラスはカバンに入れたままだったけど、カラコンしてないしバレないでしょ。


「さっちゃん。勝手に抱き抱えてすみません」


「…そうだったっけ…?」


ゆっくり起き上がりながら考える。


「すみません、勝手に触れて」


「…ううん」


「…さっちゃん、やっぱり…僕、さっちゃんが本当に好きです。一緒に、いたいです」


なぜ今なんだ。弱ってるからいけるとでも?


「不倫はしたくないってば」


「別れます」


「子供いるのに」


「…子供は好きです。でも、僕は養育費を払っているだけなんで、父親として見られていません。…すみません、僕、最低ですよね」


なんで泣いてるんだ。


「迷惑なことしか言えないし、僕は本当にダメで。さっちゃんと会って、話している時間が本当に楽しくて…」


れいは、辛い?」


「…寂しいん…です」


それは、初めて聞いたなまり。東北っぽい?


「私も寂しい。零といたい。でも不倫したくない。じゃーどーすればいいの!」


「…別れます。だから、僕と、付き合ってほしいです…」


結婚して、子供がいて。でも零は寂しくて辛そうで。大人ってわからない。

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