第13話 再会
アリーシェが実家に帰って来てから、4日が経った日。昼過ぎ頃、アリーシェの家のチャイムが鳴り、手が離せない母親の代わりに玄関のドアを開けると、幼なじみであるリドと妻であるリゼ。リドとリゼの娘2人が立っていた。
「アリーシェが帰ってるって、俺の母親から聞いて来ちゃったよ。久しぶりだな、アリーシェ」
「すいません。連絡もなしにいきなり来てしまって」
「いえいえ、大丈夫ですよ。どうぞ、入ってください」
アリーシェはリドとリゼ。娘2人を家の中へと招き入れる。
リド達を連れて、リビングへと戻ると、アリーシェの母親と父親はリド達の姿を見て顔を綻ばせる。
「おばさん、お久しぶりです。母親から、アリーシェが帰って来たことを聞いたので、来ちゃいました」
「まあまあ、わざわざありがとう。アリーシェ、今日の夜、リドくんのお母さんにアリーシェが帰って来たことを電話で伝えたのよ」
「あ、そうだったんだ。なるほどね」
リドの奥さんであるリゼさんと話したのは、数える程度しかなかったが、王立騎士学校に入る前に、リドが好きであると伝えた後で、リゼさんとかなり話したことがきっかけで、今では、とても親密な関係である。
「リゼさん、直接は言えてなかったので。結婚おめでとうございます!」
「まあ、ありがとう。アリーシェちゃん」
リゼの嬉しそうな顔を見て、アリーシェは自然と顔が緩む。そして、リドと結ばれたのが、リゼでよかったとアリーシェは心から思った。
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久しぶりにリドと顔を合わせ、リドの家族含めて話しをしたその日の夜。アリーシェはベッドに寝転がりながら、サクヤのことが頭に浮かぶ。
「サクヤ王子殿下は、なんで私のことが好きなんだろう」
自分は凄い可愛い訳でもなければ、美人という訳でもない。容姿は至って普通である。性格は良い方かもしれないが、それでもサクヤが何故、自分のことを好いてくれているのか、アリーシェにはわからなかった。
「今度、直接、本人に聞いてみようかしら」
きっと、直接、本人に聞けば答えてくれるだろう。アリーシェはそんなことを思いながら、瞼をゆっくり閉じた。
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