第33話 義妹とお風呂で……
数分後、警察が直ぐに駆けつけてきた。
事情を話すと西東兄妹は連行された。
事情聴取をして、深夜前にようやくホテルへ辿り着いた。
かなり疲れた。ようやく落ち着ける。
「……つ、疲れたね。お兄ちゃん」
「ああ、けどこれでもう襲われる心配はない」
「守ってくれてありがとう」
「いや、いいんだ。それより、ゆっくりシャワーを浴びたいな」
「そうだね。一緒に入る……?」
「!?」
「そ、その……お礼したいから」
詩乃からのお誘いに、俺は心臓がぶっ壊れそうになった。
頭が真っ白になった。
「…………まぢ?」
「うん。……だめ?」
だめなわけない。むしろ俺は嬉しかった。
「分かった。一緒に入ろう」
「き、決まりだね」
俺は詩乃を連れてお風呂へ。
部屋に備え付けられている浴室へ向かった。
ホテルのお風呂は、普通のビジネスホテルに比べると広い。プレミアツインルームということもあるけど。
おかげで二人くらいなら余裕で入れる。
「先に行く」
「うん」
詩乃は顔を赤くして恥ずかしそうにうなずく。
俺が先に服を脱ぎ、浴槽へ。
腰にはタオルを巻いておいた。
あとは詩乃を待つだけ。
少しすると、詩乃が浴室に入ってきた。
バスタオル一枚だけの詩乃が俺の目の前に。
その姿を見て俺は興奮を隠しきれなかった。
恥ずかしがっている姿が可愛すぎる。
こちらまで顔が熱くなってきた。
「と……とりあえず、こっちへ」
「そ、そうだね……」
俺はもう詩乃を直視できなかった。あまりに可愛すぎて。
背を向けると、詩乃は大胆にも抱きついてきた。
「……!」
「このままシャワー浴びよ」
「こ、この体勢で……?」
「前、向いててね」
なるほど、俺は前を向いていればいいらしい。
詩乃はシャワーヘッドを持ち適温のお湯を出す。それを俺の背中に優しくゆっくりと流してきた。……おぉ、心地よい。
やがて、ボディソープの泡と詩乃の細い指が触れて、くすぐったさを感じた。
「……っ」
「大丈夫?」
「く、くすぐったいだけだ」
「良かった」
緊張のせいか、話題が出てこない。
なにか……話したいのに。
沈黙が続くが、俺は思い切って話を捻り出した。
「これからは安全かもな」
「そうだといいな。もう怖い思いはしたくない」
「俺も学校へ通うことになったし、守ることはできる」
「うん。おかげで不安がないよ。お兄ちゃんがいれば安心」
そう言いながらも、詩乃は俺の背中から足にかけて洗ってくれた。こんな馬鹿丁寧に……! 嬉しすぎて涙が出そうだ。
「ふぅ……気持ち良かった」
「えっと……」
「ん?」
詩乃は、俺の下半身あたりで手を止めていた。
「こ、ここは……どうしよう」
どうしようって――って、そこは俺の大切なところ。さすがにそこはマズイいでしょう!?
「詩乃、そこまで無理をしなくてもいいって」
「でも……なんか苦しそうだよ」
それは当然だ。こんな状況では興奮を隠しきれない。
詩乃はあまりに魅力すぎる。
服を脱げば、その胸はグラビアアイドル顔負けのエベレスト級の頂。
雪のような白い肌は、直視できないほどに神々しい。
スラっとしている手足。バスタオルとはいえ、背中から腰に掛けての曲線美。
なにもかもが俺の心に刺さっている。
てか、詩乃って思った以上に巨乳だったんだな……。
服越しでも大きいと思ったけど、それ以上だった。着痩せするタイプか。
いや、それよりも。
「そ、そこはいいって。危険すぎるから」
「でも~」
「よ、よし。今度は俺が詩乃を洗う」
「え……そ、それは…………うん」
思いとどまったのか、詩乃は小さく返事をした。とても恥ずかしそうだ。いや、俺も死にそうなほど心臓が暴走モード中。今直ぐ卒倒してもおかしくないレベルだ。
だが、この幸せな時間を少しでも味わいたくて、意識をしっかり持っている。
ここで倒れるわけにはいかない。
次は俺の番だ。
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