第50話
「アキト様も今日は飲んでますね」
「たまにはね」
(けど、グラウディウスと飲み交わすのも悪くないし……それに……)
チラッと隣を見る。そこにはいつも通りニコニコしている。
しかし、よく見ると頬が赤くなっていた。
そして目が合う するとグラウディウスは少し照れて笑う。
するとアキトまで恥ずかしくなってうつむいてしまう。
『(バカップル誕生ですか?)』
(う……うるさい……やい……もう)
アキトはまた顔を上げて横を見るとまだグラウディウスこちらを見ていたのでまたまたアキトはうつむいて また見上げるを繰り返していた
(かっこういいな……グラウディウス……)
すると急に手を引っ張られた。
そして抱きしめられる。
「ちょ!?ちょっとグラウディウス!?」
「えへへ、アキト様かわいい」
「もう!グラウディウスは!」
「あいた!」
軽く額を叩く。
その後、宿に帰る途中で
「そういえばルキエルはどうしたの?」
「ああ、あの男なら、明日の修行の打ち合わせをしてます」
「え?……そうか……」
宿屋に着く
明日の準備とかをして
グラウディウスと温泉へ。
翌日
朝からグラウディウスのドタバタに付き合い
汗が凄かったので
着替えとバスタオルを持って
温泉へ二人で行く。
「朝からはいるのは初めてだね」
「そうですね」
髪の毛を洗って
身体を洗って
温泉に浸かる。
「ふう」
「ふぃ~気持ちぃい」
アキトは湯船の中で足を伸ばした。
「足伸ばしても大丈夫なんだ」
「はい、結構広いですよ」
確かにアキト達が入っていても広く感じた。
アキトは肩まで浸かりリラックスしていた。
「さて、そろそろあがろっか……朝ご飯も食べに行きたいし」
「そうですね」
「あっそうだ……今日は、どんな訓練行う?」
「そうですねぇ……俺は剣をまず訓練ですね……まだまだですから」
「そうか……僕は……そろそろ『爪術』を訓練始めようかと思う」
「『爪術』?」
「ああ、僕が持ってるスキルの応用版みたいな物だよ」
「そうなんですか?是非見てみたいです」
「分かった、じゃあ、今日の訓練中にでも見せるよ」
「了解です……朝ご飯楽しみですね」
「だな!」
食堂へ行くと
『本日の朝ご飯』と書かれたメニューがあった。
『鮭の塩焼き』
『アルカルプとペスパエルのクリームソース和え』
『葱と豆腐の味噌汁』
『山菜の天ぷら』
『ご飯』
という中々に豪勢な朝食メニューが書かれていて
『アルカルプとペスパエルのクリームソース和え』が気になった。
配膳されて気づいた
『ペスパエル』は『パスタ』であることに
量は少ないがこれは『アサリのボンゴレクリームソースパスタ』であることに
配膳された朝食に涎をだして
唾をごくんとした。
ピコン
『料理を美味しくする』を取得しました。
そして 席に座り頂きますと言い食べ始める。
「アキト様これすごく美味しいですね。今までの味覚とは全然違います」
「そうだなぁ、これも料理人のレベルが上がったからだよね、スキルで調理したらもっと上手くなっていくね」
今回作った料理人さんがこちらに歩いてくる。
「お食事ご堪能くださりありがとうございます。わたくし当宿屋で料理を担当しております『バティオス』と申します」
「あ、どうも……オーナーのラムレスにはお世話になってます。」
「貴方様が『アキト様』ですね。オーナーから伺っております」
「そうですか、あの、僕の事はアキトで良いので」
「分かりました、アキト様。」
「あと、その丁寧口調も無しでいいので……」
「では、アキト殿で宜しいでしょうか?」
「はい、ではそれでお願いね。『バティオス殿』も元魔王軍?」
「はい。そうです……わたくしは『エルダーエルフ』という種族でして」
「なるほど」
「しかしアキト様……先程から美味しいを連発しておりますが……」
「ああ、すいません……つい夢中で……本当にこの世界に来て良かったと思ってるんですよ」
「いえ、嬉しい限りですよ。しかしまだこの不詳ながら料理人としてはまだまだでして」
「謙遜しなくていいですよ。美味しいのは本当なのですから
それに
『アルカルプとペスパエルのクリームソース和え』が僕の故郷である世界の『アサリのボンゴレクリームソースパスタ』に似ていて凄くうっとりしていて」
「そうだったのですね……それは良かったです」
「また食べさせて下さいね」
とアキトが微笑むと
「(ブハァ)は……はい。頑張りましゅ!!」
「噛んでるよ」
アキトは苦笑いをしながら言う
ピコン
『料理のコツを取得しました』
『魔族殺し』を取得しました。←はえ?
『男殺しの女』←は?男だし
「ごちそうさま」
アキトは立ち上がると食器を下げに行った。
「あっ、私の仕事を取らないでくださいアキト殿」
「んー……なんか恥ずかしくてね……はい。バティオスさん」
食器を渡す。そしてアキトは自室に戻った アキトはベッドの上で寝転び 今日からの訓練のスケジュールを考えようと手帳を開いた。
「剣の訓練の前に『爪術』を見てみようか、その後で訓練開始でいいんじゃない?」
と、呟く。
(訓練メニュー考えないと)
「よし!これでいくか!」
準備をして
僕、グラウディウス、アキゾメトル、ルディアの4人で
広場へ向かう。
いつも訓練で使う場所へ行き
3人は『剣』の訓練を開始する。
アキトは『爪術』を訓練するために準備を始める。
両腕に鍵鉄鋼を付け、足には蹴り技用のガントレットを付ける。
グラウディウスがアキトの訓練準備に気づく。
「それが……爪術?」
「そう一応ね」
そして『スキル』を発動させる。するとアキトの両手が鉤爪のような手になる。
「これが……僕の武器だ」
アキトは軽く腕を振り上げると
「うぉっ!」っと声を上げるグラウディウス。
「大丈夫かい?」
「え、ええ……いま真空波出ませんでした?」
「うん、『爪術・風』というスキルだ」
『爪術・風』は風の刃を発生させることができるスキルである。
ただしアキトの場合、攻撃の手段としてではなく補助的な意味合いが強くなっている。
「ふぅ……始めようかな」
『スキル』を発動させると 爪が伸び、鋭い刃物に変わる。
「『爪術・剣陣』」
『爪術・剣陣』は自身の爪を自在に変化させ剣状にすることが出来る。
「まずはこれを使って」
アキトが木人形に斬りつける。
スッと綺麗な弧を描きながら木人形の肩口に食い込む 次に腹へ突き刺す さらに首を跳ね飛ばした。
「おお、すごい!」
他のふたりも見に来る。
「『爪術・水陣』」
『爪術・水陣』は水の刃を発生させ、それを射出することができる。
アキトはそれを横に振り抜くように放つ。
その勢いで木人形は上半身と下半身に別れて倒れる。
アキトはさらに別の『スキル』を使用する。
「『魔法弾』」
アキトの両手の甲から魔力で出来た玉が現れ木人形目掛け飛んでゆく。
木人形にぶつかると同時に爆発する。
「おぉ……凄いなぁ」と感心するグラウディウス。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます