第39話

(あれ?なんか変なこと言ったか?)

アキトが気付くことは無く、 アキトは串を作り、タレも作り 焼く作業に入る。

「あ、そうだ。前に『葛の葉の都』で買った醤油を使うかな」

(それと、少し前にお手伝いの報酬として大根と人参貰っていたから……大根の雪下ろしと人参のもみじおろしでも作って生姜、醤油和えにしてそれもタレ作るかな)

「よし!じゃあ始めますか! グラウディウス、お米を炊いて!」

「承知しました」

グラウディウスがお米を炊き始める。

その間に他の作業をアキトは行う。

(あとは、そうだな。卵焼きとサラダと味噌汁(豆腐とワカメ)を作るか)

「ふぅ~終わった。」

「こちらも終わりました」

「我もだ」

「よし、じゃあいただきますか」

「「はい」」

「「頂こう」」

皆で食事をする。

「アキトよお主は料理まで出来るとは流石よの」

「ありがとう!ルディアさん」

「さん付けやめい!我はお主の従者なのだから」

(あれって従者契約なのか)

「あ、分かったよルディア!」

「アキト様!この2つのタレは見た事有りませんが」

「あー、それはね1つは、『雪下ろし』と『生姜の摩り下ろし』『醤油』で作ったタレだよ」

「もう1つは、『もみじおろし』と『生姜の摩り下ろし』『醤油』で作ったタレだよ」

「「『雪下ろし』『もみじおろし』?」」

グラウディウスとアキゾメトルが訊いてくる。

「あ、それはね前に手に入れた『大根』と『人参』の摩り下ろしだよ。大根の摩り下ろしが『雪下ろし』で人参の摩り下ろしが『もみじおろし』だよ」

「「大根と人参!?」」

「そうだけど?」

「「……」」

2人は絶句していた。

「えっと……どうしたの?」

「あの、アキト様。もしかして『大根』と『人参』をすり下ろす事は可能なのでしょうか?」

「え?普通におろし金で摩り下ろしにするんだよ(あ、そっかラムレスいないから知らないのか)」

「「おろし金」」?」

(やっぱりな)

「はい、これがおろし金だよ」

「ちょっと特殊な形ですね。小さいギザギザの丸が多いですね」

「このギザギザで摩り下ろしにするんだよ」

「やってみたい!」

「はい、是非ともお願いします」

「分かった。じゃあまずは大根からいくよ」

アキトはアイテムボックスから 大きめの器を取り出して、そこに水を入れて その中に『大根』を入れ、水を切ってから皮を剥く。

そして、また水の中に入れ、その状態で グラウディウスに手渡す。

「はい、これ使ってやって見て」

「承知しました。では早速」

グラウディウスは、おろし金の所に『大根』を置き、ゆっくりと摩り下ろそうとするが……

「痛っ」

「グラウディウス大丈夫か?あー、おろし金のギザギザに指が近かったね……『ヒール』」

ピコン

『無詠唱』のレベルがあがりました。

『回復術』のレベルがあがりました。

「アキトよ!いまお主どうやって『ヒール』を!?」

ルディアが驚く

「ん?あ、無詠唱は珍しいの?」

「当たり前であろう!高名な魔術師であっても無詠唱は見んわ!」

「そうだったんだ。まぁいいじゃん!そんなことより大根はこんな感じでいいと思うよ」

「はい、分かりました。」

「次は人参やるね」

アキトは同じ様に人参をおろした。

「はい、これも同じようにしてみて」

次はアキゾメトルがやってみることに

「はい!まず、こうして……あっ……上手くできたぞ」

「はい、これで大根と人参は終わり。次はこれだね」

「これは、なんですか?」

「これは、大根と人参を摩り下ろしたものを摩り下ろしの生姜と醤油で混ぜるんだけど……」

「それって美味しいの?」

(食べてみたいのかな?)

「試食してみる?」

「「やったぁ!」」

「はい、じゃあどうぞ」

皆で味見をする。

「おぉ!なんだか甘いです!それに少し辛いです!」

「うむ、確かに甘く辛くて良いものだな」

「でしょ?あとは」

「「んぐ!?」」

(ふふふきたね)

「「鼻から抜けるー!!」」

「どうしたのだ?こやつら」

「あー、生姜の鼻から抜ける感覚です」

「我も食してみたい」

ルディアも食べたいらしいのであげた。

「うむ……美味い……んぐ!?」

(ふふふ)

「これが摩り下ろし生姜の鼻から抜けるというやつか」

(まあ、辛子や山葵よりはましだけどね)

「じゃあ、味噌汁作るかな」

アキトは鍋を出し、お湯を沸かす。

その間に、豆腐とワカメを出す。

豆腐とワカメを切っていく。

沸騰したお湯に豆腐とワカメを入れる。

味噌を溶かしていく。

「いい匂いがする」

「美味しそうな匂い」

「これは?」

「味噌汁でーす」

「我は味噌汁は初めて食す」

「我も」

「俺は宿屋で何回か」

「はい、出来上がり」

4人で食事を始める。

「アキト様、とても美味しゅうございます」

「我もこれ程とは思わなかった」

「我もだ」

「良かった……はい。グラウディウス……あーんして」

「いや……あの」

「なに?いつもの事じゃない」

「「いつもの事!?」」

(ん?…………あ!?)←無自覚野郎

「グラウディウスとアキト殿ってどんな関係です?主と従者ではないのか?」

「我もいまのでそれは気になったぞ」

「あ……いや……その」

(ど、どうしよう)

「俺とアキト様は」

「わあ!い、言わなくていい!」

あまりの慌てぶりを見て

「「(この2人付き合ってるのか、ふーん)」」

(ば、バレてる)←『伝心』で読んだ


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