第37話

「アキト様、これからよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしく」

「アキト様はワイバーンの討伐依頼を受けていましたね」

「そうだな」

「では、早速行きましょう」

「そうだな」

ワイバーンがいる山に向かう。

「アキト殿はなんでそんなにお強いのです?」

(これって答えるべきだな)

「強いのかどうかはわからないなぁ。努力はしていたからね……そうしたらなんか『パッシブ』のスキルやら『アクティブ』のスキルがどんどん増えていって……はは」

「なんと!?」

「なぁ?アキト様凄いだろ?」

「確かにな……『伝心』持ちの上に『パッシブ』や『アクティブ』まで持っているのか……信じられん」

「そ、そうなんですか」

「それにしても、アキト殿はなぜそんなに強いのだ?まだ成人もしていないであろう」

「はい?僕28ですが……」

「「え!?28!?」」

なんで二人共驚くんだよ!?

「あ、はい。そうですけど」

「嘘だ!!どう見ても15歳くらいにしか見えないぞ!」

「そうです。私よりも幼く見えます。」

「マジかぁ」

自分の容姿を鏡を見てみる。

「あぁ本当だ。幼い……ってグラウディウス!」

「はい何でしょう?」


「君は僕のことなんだと」

「えーと、頭なでなでと抱きしめ補給?」




「なんと!羨ましい」

(え!?)



僕は今アキゾメトルさんって色んな意味で面白い人(魔族)だと思った。

しばらく進むとグラウディウスが

「この辺りから異様な魔力を感じます。ワイバーンのとは別に」

「うん!数体ワイバーンと何か居るね」

『索敵』『危険察知』『周辺探索』が同時展開している。これは『何か』有る『証明』だ。

「これ……は……『ワイバーン』と『ディアボロス』が居るのか!?」

(ディアボロスってなに?)

『はい、ディアボロスは竜種の上位種で知能が高く、人間の言葉を理解し話すことが出来るのです』

(なるほどなぁ)

「来ました!」

ワイバーンは8体程、その奥にワイバーンよりも大きく禍々しいオーラを包み込んだ高い気質の竜種

(あれがディアボロス?)

『はい、あれがディアボロスですね』

(どうする?戦う?それとも逃げる?でも、逃げたら追いかけてきそうだよね)

『アキト様、ここは戦って倒しましょう。』

(よし!分かった!)

『伝心』で皆に作戦を伝える。

「アキト様の指示に従います」

「こちらも準備できていますアキト殿」

「いくよ!!」

戦闘が始まる。

まず最初に僕が動き出す。

『剣格士』をスキルセット。『蓮刃剣』を装備。

『雷纏』で身体強化して、ワイバーン一体に突っ込む。

「グギャアァッ」

「まだまだぁっ!」

「ガゥアッ」

「そこぉ!」

ワイバーンの皮膚を『蓮刃剣』で斬り裂く。

グガァと言いながら倒れるワイバーン。

グラウディウスは次のワイバーンに

『雷闘気』を浴びせる。

「グゥ!」

ワイバーンが怯む。

そして、すかさず『アダマスの剣』で斬る。

ワイバーンの翼と首が切断され倒れる。

「あと六匹」

アキトはワイバーンを倒していく。

アキトの攻撃は止まらない。

ワイバーンの攻撃を華麗に避け、隙を見つけては攻撃していく。

グラウディウスはアキトのサポートをするべく、ワイバーンの足下を『雷光一閃突き』を放ち、アキトへの追撃を阻止する。

ワイバーンは次々と倒され数が減っていく

奥で見ていた『ディアボロス』は

「………………」

ただ、様子を見ていた。

ワイバーンが残り二体に減ると、アキト達は距離を取る。

アキト達の戦いを見て、『ディアボロス』は動かない。

「アキゾメトル!僕とグラウディウスは時間を稼ぐ!その間に残りの二体を頼む」

「分かりました!任せてくださいアキト殿!」

「アキト様!おまかせください」

「行くぞ!グラウディウス!」

「はいっ!アキト様!」

『ディアボロス』に向かって走り出すアキト。

『ディアボロス』は動かずじっとしている。

アキト達が近づくと『ディアボロス』は言葉発する。

「お前はここで我に何をするのだ?」

「は?」

「お前が我を倒すのか?」

「君はワイバーンと違って『話』が出来るみたいだね」

「当たり前であろう我は竜種の最大級とされる『ディアボロス』の一族であるぞ」

僕は話が出来るので剣を収める。

グラウディウスは

「なりません!アキト様!剣を収めるなど」

「ガッハッハッ!よいわよいわ!我も少し話をしてみたいと思っていたしな

して、お主たち……特に貴様だ。人間……アキトと呼ばれているな……貴様はその……本当に『人間』か?」

(え?何言ってんのコイツ)

「やはり、ディアボロス殿もそう思いますか?」

「ディアボロスは一族の共通名であり名前では無い!我はディアボロスのルディアなり」


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