第34話

翌日、今日は

ラウディさん主催の試食会に参加する。

僕たちは早朝からラウディさんの所へ来ていた。

「おはようございますラウディさん本日はよろしくお願いしますね」

「こちらこそよろしくお願いします。どのような料理を振る舞うのですか?わたしは、しょうがの酢漬けと野菜の煮物、あとは魚介のスープとパンを用意しようと思っています」

「そうなんですね。僕は、『生姜天ぷら』『魚のつみれ』『揚げかまぼこ』『揚げ生姜かまぼこ』『生姜の塩和え』などなど」

「それは、とても美味しそうですね」

「ええ、自信作ですよ」

「楽しみです」

「では、始めましょうか」

「ええ」

ラウディさんは、食材の下ごしらえを始めた。僕は、調理に取りかかる。

まず最初に生姜をすりおろしていく。

次に、魚を捌き骨を取る。

小麦粉に卵を混ぜて衣にする。

そして、油の温度を上げ、生地を投入。

ジュワーといい音を立てて揚がっていく。

頃合いを見て引き上げて、氷水に入れる。

その後、余分な水分を飛ばす。

次に、魚の切り身を串に刺して、揚げる。

最後に、つみれを作る。

こちらは、あらかじめ茹でておいた大豆を潰し、すり鉢に入れて、生姜を入れて、よく擦り合わせる。そこに醤油や酒を加えて練って、片栗粉を入れ、丸めて沸騰したお湯に入れながら手で捏ねる。少し浮いてきたら取り出して完成。

それを皿に盛り付け、その上につみれを乗せる。

続いて、鍋に味噌を溶かす。

具材は、白菜、豆腐、ネギを入れる。

味付けはシンプルに塩のみ。

出来上がったものをお椀に盛る。

「お待たせしました」

「おお、これは凄いな」

試食会に来たお客たちはこの豪勢な食事を見て涎をだす。

「どれも美味そうだ」

「まずは、この『魚のつみれ汁』から頂くとしよう」

「いただきます」

皆一斉に口に運ぶ。

「うまい!なんて濃厚なんだ」

「ああ、口の中でホロホロとほぐれていいくよ」

「次は、この『生姜の酢漬け』だ」

「うむ、確かに生姜の風味がいい感じに効いているな」

「次は『しょうがの塩和え』を」

「うーん、サッパリとしていていくらでも食べれるぞ

しかも生食で生姜を食べれるとはなんと幸福な」

「最後は『生姜の天ぷら』だ」

「サクッとした食感で中々いけるな」「どれ一つ取っても最高だ」

「アキト殿ありがとうございます。こんな素晴らしい料理の数々を振る舞っていただいて感謝してもしきれません」

「いえ、こちらこそありがとうございます。是非ともうちの店を宜しくお願いします」

「勿論ですよ葛の葉の都に来た時にはまた利用させてもらいますね」

こうして試食会は成功を収めた。

僕たちは、残りの時間『フリーマーケット』を楽しむことにした。

「いらっしゃいませ~」

「お買い上げの方には、無料でプレゼントを差し上げております」

「ぜひ、寄って行ってください」

「本日の目玉商品はこちら!魔導書セットです」

「今なら一冊銅貨20枚」

(魔導書は要らないな)

「アキト様」

「ん?どうした?」

「あの、あれは……」

「ん?……ああ!アレは確か」

「はい」

「ちょっと待ってて」

僕は、グラウディウスを置いて、ある場所へ向かう。

「すみません」

「はい、何でしょうか」

「これ買いたいのですが」

「はい、かしこまりました。では、こちらの契約書にサインをお願いします」

「はい」

「では、金貨1枚になります」

「はい」

「では、こちらが商品です。大事に扱って下さい」

「わかりました。ありがとうございます」

「では、今後共当店『魔女商会』をご贔屓にしてください」

「はい」

「グラウディウス」

僕はグラウディウスの元へ戻ってきて買った物を見せる。

「それは……!」

「うん、コレはグラウディウスにあげる」

「そんな!受け取れません!」

「いやいや、貰ってくれないと困るんだよ。だってさ……」

僕は、グラウディウスに耳打ちする。

「大好きだよグラウディウスこれからもよろしくね」

「あ、アキト様!」

グラウディウスは僕を抱きしめる。

(ちょっと!?なにするのさグラウディウス!!?)


顔だけでなく全身真っ赤になる僕。

ラムレスはただただこの会話を聞いていた。

(これでまだ付き合ってないのか!?お前ら!!さっさと付き合え!)


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